Yogee New Waves
大海原へ帆を広げ
2017年3月25日(土)@恵比寿リキッドルームにて、Yogee New Wavesのワンマンライヴが開催された。2017年1月に4人組の新体制となり、この日までの短期間で全国中を駆け巡った彼らの待望のリキッド公演。私も駆け足で会場まで向かった。
SEでMadlibの名曲‟stormy”が流れる中、バンドのシンボルネオンが光るステージに、メンバーがゆっくりと登場していく。Vo,角舘が「ようこそリキッドルームへ!」と先陣を切り、キャッチーさとトリッキーなフレーズが心地良い‟Megumi no Amen”からショーが始まった。2曲目‟Ride on Wave”は、この日正午に発表された5月17日リリースの2nd AL”WAVES”の冒頭を飾る楽曲。音源化されていないにも関わらず、ファンの認知度の高さと盛り上がりにも驚かされた。その後、ライヴでも人気の高い‟Good Bye” ‟Summer”と続き、銀色に輝くミラーボールが回るとともに、会場の熱気が着実にヒートアップしていく。
MCでは、角舘が各メンバーを紹介し、アルバムリリースや伴ってのツアーについて語る。
落ち着いている様に話していても興奮冷めやらない口調なのが、Yogee New Wavesのドラマチックな音楽や人間性に通ずるものがあって好きだ。
MC後、鳥のさえずりが響き草木に陽が差すステージから、楽園へのショートトリップ・チルタイムへ突入。‟C.A.M.P.”でのコール&レスポンスで会場は一体となり、続く‟baiuzensen” “Hello Ethiopia”では、サイケデリックな残響感と奥行きあるアレンジが、今までのこの楽曲陣の印象を大きく変えるパフォーマンスとなった。各パートの主張が絡み合ったバンドアンサンブルは、このバンドが既に新たな音楽世界へ突入している確かな証拠だった。竹村の印象的なギターフレーズがたまらない‟HOW DO YOU FEEL?”も、その延長線上にあるフュージョン感があり、バンドとしてのキャパシティーがまた大きく変化していっている様にも思えた。
その後のMCで、若者の夢・希望について感情的に語る角舘。感情を丁寧に言葉にして伝えようとする角舘の姿に、会場全体が引き込まれていく。Dr.粕谷が告知を仕切り、映画主題歌の決定やFUJI ROCK FESTIVAL出演を匂わす発言(のちに正式発表)をし、立て続きのニュースに観客からは大きな声援が響き渡った。
その後演奏された‟Like Sixteen Candles”からクライマックスにかけて、たたみかける様に‟Climax Night‟ “Fantasic Show”等彼らのアンセムが連発。アンコールは、‟Listen” “Dreamin’ Boy”と続き、会場は過熱状態のまま新生Yogee New Wavesのワンマンショーは、煌きが止まる事なく幕を閉じた。
新体制になり間もないながら、音も空気感も非常に馴染んだステージで、6月の赤坂ブリッツ公演やフェス出演への期待値も高まる一方だ。角舘が冒頭のMCで‟最近のヨギーはいい感じ‟と話していた様に、オーディエンス側にもその空気は十分に伝わっていた。
Yogee New Wavesは、‟PARAISO”という楽園から‟WAVES”という波を作り、新たな航海へ向かう。他の波には飲み込まれない強さを、この日のステージで目の当たりにしたのであった。
Yogee New Waves
http://yogeenewwaves.tokyo/