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CIBO MATTO

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ニューヨークを拠点とするチボ・マットがニューアルバムを土産にやってきた!

果報は忘れてなくてもやってくる。チボ・マットが15年振りに最高なニューアルバム『Hotel Valentine』をリリース! なので、リリース記念ライヴには行かざるおえないでしょう。個人的にはニューヨークはユニオンスクエアの近所にあるライヴハウス、というよりホール(場所名失念)に行って以来のチボ・マットのライヴ。その時の前座がデトロイト・グランド・プーバで、そのブッキングのナゾっぷりにもブッ飛ばされました。それも15年くらい前の話。今回のリキッドはワンマン。ということは観客全員がチボ・マット狙い撃ちのはず。ファーストアルバムからリアルタイムで聴いている人は、当時かなりのマセガキとしても30歳以上。「一体、今夜はどんな客層なんだろう?」と会場に着くまで、関係者でも何でもないのにボンヤリと、そんな余計なお世話なことも考えておりました。ところが着いてビックリ玉手箱。ファーストが出た当時はランドセルを背負っていたどころか、夜尿症も治っていなかったのでは?と思えるほどの年齢層も多く、中年の私なんてライヴ中にプカプカ浮いてしまうのではなかろうか、との不安が頭をよぎるほど。しかし良く良く見ると、某大物ミュージシャンや、同年代以上の知り合いの顔もあって不安は払拭。ホッとついでにジントニックを飲んでから、すでに混み混みの場内へ。

来日アーティストの定番「Hello! Tokyo!」の御挨拶から始まり、ファーストアルバム収録曲を2連発。2曲目はチボ・マット・クラシックとも言える”Sugar Water”。当然、私を含む観客たちはサビの「ラ~ラ~ラ~」を合唱しながら、揺らめきました。これぞチボ・マットのライヴ! 飛んだり跳ねたりのノリノリではなく、そよ風に吹かれた稲穂のようにフロアのユーラユラと揺らめく観客に、ちょっとシャイそうにステージでパフォームする彼女たち。あー、デジャヴな感じだなぁと思っているうちに『Hotel Valentine』の中でも大好きな曲”Deja Vu”がきました!
今年上半期のアンセムといえば、世間ではファレルの”Happy”だろうと思いますが、私個人は、断然この曲。仕事(中古レコード屋)の最中も繰り返し繰り返し聴いておりました。それをナマで聴けて、ナマで踊れるなんて、ホントに来て良かった。と感慨に耽るのもほどほどにしつつ、この時点でライヴレポートのこともすっかり忘れて、ずんずん浸って楽しみました。書き忘れてましたが、途中からゲストミュージシャンとして、女性ドラマーのあらきゆうこさん、ベースでデヴィン・ホフさん、バッファロー・ドーターの大野由美子さん、そしてコーネリアスこと小山田圭吾さん(3月の来日の際もゲストで出演、ということは新サポートメンバー?)がギターで参加しながらのバンド・セッション形式に。これまた合唱しているうちに”Deja Vu”が終わると、すぐに激しいドラムブレイクでガラッと雰囲気を変えてみせるのもお見事。女性の叩くドラムブレイクは、男性のそれよりも数割増しでファンキーに聴こえるのは私だけでしょうか? チボ・マット監修のコンピレーションCD『Woman in Music』の告知を交えつつ、グルーヴ感をキープしながらライヴは柔らかなクライマックスへ。

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チボマットはポップ・ミュージックとカテゴライズされがちだけど、単なる「ポップ」では収まりきれない。理由はその音楽的バックグランドにあると思う。本田ゆかさんのチボ・マット以前のフレーミング・フープスなどでの活動や、ニューヨーク地下音楽人脈の広さは知られるところ。チボ・マットから米国でのキャリアをスタートさせたハトリミホさんに関しては、15年程前に私がニューヨークのブルックリンで主宰していた中古レコード店『Weekend Records』(現在は下北沢にて復活)の常連さんだったので、音楽的バックグランドを少しは直接知っている(つもり)。個人情報漏洩かもなので、ちょこっとだけ書くと、ミホさんは世界中の民族音楽から、フリージャズ系、ヒップホップ、とにかくジャンルレスで音楽を聴き、その好奇心、探求心の深さには感心させられっぱなしでした。その2人が組んだチボ・マットのサウンドが普通の「ポップ」になるワケがないでしょう。「ポップ」の皮をかぶったディープ・ミュージック。といってしまうのは大袈裟でしょうか? 

さて話を元に戻して、フロアの湯加減も良い感じのままにライヴはアンコールタイムへ。再び雰囲気をガラッと変えて、アコースティックにアントニオ・カルロス・ジョビン作のボッサノヴァ大名曲”Aquas de Marco”(三月の水)で出発。そして最終曲の”Birthday Cake”では、上記のコンピレーションにも参加のカリスマ・ドット・コムさんらがコンバンワで、アットホームな大団円を迎えましたー。終了後のサイン会にも行儀良く並び、『Hotel Valentine』のアナログ盤にサインを頂き、最後の最後までエンターテインさせて頂きました。帰り道に数年振りに食べた吉野家の牛丼までもが格段に美味しく感じたことは書くまでもないでしょう。というか、帰り道のことまで書く必要は全くないですねー。という訳で、無駄のない素晴しいライヴの、無駄話ばかりなレポートでした。それでは。

SUMMER SONIC 2014 出演決定!!!!
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CIBO MATTO「ブルーノートライブ」
http://www.bluenote.co.jp/jp/artists/cibo-matto/

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