FEATURE

注目のレーベル所属アーティストが集合した「AVALANCHE 3」。

　DyyPRIDE『Ride So Dyyp』、THE OTOGIBANASHI’S『TOY BOX』、MARIA『Detox』、OMSB
『HULK』（12インチシングル）、BLYY
『THE SHIT 2』など。今年発表されたタイトルだけ見てもの充実ぶりが伺える。また作品だけにとどまらず、フライヤーやSNS上のパーティインフォには、毎週間末のようにPUNPEEとGAPPER、OMSBやMARIAなどのSIMI LAB勢の名前を見受けるようになった。各地のステージでオーディエンスを湧かせていることを考えれば、期待せざろう得ないのが、毎年恒例になっているレーベルイベント「AVALANCHE 3」。

15時過ぎにVaVaのDJでオープン。まずは短いタームでMETEOR、BLYY、MARIAがフロアを温める。SUGARKANEのDJに続き、Fla$hBackSが登場。今年1月に発表したアルバム『FL$8KS』のMVが、youtubeで話題を呼んだ3人組だが、残念なことにこの日はFebb不在。jjjのみのMCになったにも関わらず、タメのきいたアルバムタイトル曲をはじめ、早めのロックトラックなども乗りこなす堂々としたフロウを披露。MC KOMICKLINICKが独特の空気感で観客を魅了した後、bim、in-d、PalBedStockの3人組、THE OTOGIBANASHI’Sが登場。昨年からライブを始めたとは思えない、安定したパフォーマンスで湧かせながら、この夏のアンセムともいえる「POOL」（初披露は昨年）で、チリンに持ち込むなど、緩急をつけながら、観客を見事にコントロール。

ここでライブは一休み。と、ビールを買いに行くエントランスに出た観客たちが、濁流のようにフロアへ戻る。EVISBEATSのDJプレイ中、田我流が登場し「ゆれる」をライブで披露。音源だと思っていたら・・・なんと本人でした。いろいろな意味でサプライズの多かった前半戦。

　続いて、菊地成孔、大谷能生、OMSBによるPARIS＝HELL↓TONE（ちなみに菊地と大谷によるJAZZ DOMMUNISTERS『BIRTH OF DOMMUNIST』は11月3日発売）。菊地率いるDATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDENの作品やライブにSIMI LABが参加しているが、菊地と大谷のステージ姿を見るのは「AVALANCHE 3」初めてというオーディエンスも多かったのではないだろうか。声ネタのトリックを散りばめながらCDJを操る菊地のプレイに、多くの観客は驚愕。さらに菊地、大谷、OMSBといった流れでマイクリレーする姿をジッと見つめる。しかし、大谷のフリースタイルにおける「レペゼン、横浜!」の連呼からフロアは大盛り上がり、観客をロックした。

DJ michiyoshiのプレイに続いて、ステージにはPUNPEE＆GAPPER。PARISの熱い余韻をあえて断ち切るかのような、「適当な感じで楽しんでって」というPUNPEEのリラックスしたMC。「ルネッサンス」などアンセムを披露しながら、安堵感のあるライブを披露した。そして、トリを飾ったのがSIMI LAB。新メンバーであるRIKKIを含む6MC、2DJの合計8名のメンバーがステージに登場。OMS、MARIAは既に1ステージ出演した後だったが、母艦に戻った時は表情が違う。全員揃った勇姿はまさに「Avengers」。「普通ってなに? 常識ってなに?」 と問う「Uncommon」では、観客とのコール＆レスポンスを見事にきめる威風堂々たるステージを展開した。

　最後には出演者一同がステージに立ってのマイクリレーをかまし、出演者＆観客は揃ってでの打ち上げ（?）「SIMI LONGE」へ移動。多くの出演者がDJプレイを披露し、宴は朝まで続いた。