Räfven
国境を超えて踊らせるフォーク・ミュージック
フォークダンス、古くから伝わる土着の踊りには国は違えど、同じく人間を踊らせる、体に直接訴えかけてくる力がある。聴いたこともない盆踊りでも手を打つタイミングがなんとなくわかる。踊りはよく知らないマイムマイムの音楽で、どことなく気分が盛り上がる。土地、人、血に根付いたといってもよい音楽特有、それでいて普遍的な言葉にはできない、けれどめちゃくちゃに踊りたくなる、体を動かさずにはいられない魅力。会場はレーヴェンの音楽と共に最初から最後まで踊り続けていた。
当日のフロアといえば一曲目、どころかメンバーが登場するだけで巻き起こった拍手喝采が手拍子となり、鳴り止まないほどの大熱狂だった。気合い十分で迎えるファンの熱気を、これまたメンバーが大いに盛り上げる。演奏は勿論のこと、パフォーマンスも必見! 冒頭で直ぐに会場と自らの熱気で上半身裸になるメンバーたちは、本人たちも演奏しながら踊り続けた。アップテンポのハードな曲では手を打ち頭を振り、スローな曲では会場に「体を揺らして。これがスウェーデンの伝統的なダンスだよ!」とメンバー同士が手を取りあって踊りながら熱く、時に穏やかにアジテート。フラフープを腰、そして首でまわしたかと思いきや、再び腰でまわしながらサックスの演奏、なんていう離れ業も。更にステージのふちに腰をかけ、フロアと同じ目線で演奏をしてくれたり、音楽は勿論、ライヴという場だからこその盛り上げ方で会場を楽しませ続けた。また、中盤では震災について「被害に心を傷めている方、今でも頑張っている方、そんな皆様へ」というコメントと共に「Kejsaren av Japan」という曲を披露。美しい旋律が静かに力強く響き渡る。
曲を知っていようがいまいが、流れてきた音に身を任せるだけでレスポンスの拍手や掛け声が自然と出てしまう。それゆえ一体感がものすごい。フロア全体、更にはステージの上下を超えた大きな一つのムードに会場は包まれていた。「カチューシャ」などのお馴染みのロシア民謡もあれば、「2009年のフジロックの思い出!」と当時を振り返っての演奏も。ファンでも、そうでなくても嬉しい楽しい二時間弱となった。
また、終演後にはサイン会が行われたのだが、「今日誕生日なんです!」とサインを求めたファンにスウェディッシュなバースデーソングをメンバー全員で贈るという一幕も。終始楽しませてくれるレーヴェンの纏う最高にハッピーなムードに包まれたまま、ライヴ、そしてサイン会は終了した。聴いて、見なければわからない、けれど触れれば絶対に楽しませてくれることなしのご機嫌スウェディッシュ・バンド、レーヴェン。大盛況の一夜でした! (渡邉祐子)
<セットリスト>
Stortrappen
Doina
Ale Brieder
Kajutan Blues
Basmarch
Solungen
Emma
Colombo nr 7
Brevorm
Next time
740
Skalmsjukan
Happy Pappy
Lindans
Vitt
Kejsaren av Japan
Bra dag for skagg
Rebben
Rinkeby
Mustafa
Jpscha(sista)
ec.
Baris
Sarek
Katten
ec.2
Ale schwester