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SCREAM OUT FEST 2011

SCREAM OUT FEST 2011

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音楽の異種格闘戦、スクリーモ祭!!!!!

もはやスクリーモ系フェスの代名詞とも言えるSCREAM OUT! 今年の出演陣は国内勢から3バンド、海外勢から3バンド。なんと6バンドぶっ続けのスクリーモの祭典だ。耳がおかしくなってしまうんでは……なんて心配は、ここに集まるオーディエンスにはまったく関係なし! トータルで約5時間半にも渡った宴は恵比寿リキッドルームをラウドしまくり、それは地震でも起こったんじゃないかってくらいドデカくて熱い音を鳴らして、フロアを熱狂の渦へと巻き込むこととなった。

 まずは国内勢から、LOSTが高音ヴォーカルを武器にほどよくキャッチーなサウンドで沸かせ、HER NAME IN BLOODが必殺ナンバーを重く叩き付けまくってフロアを揺らす! フロアで円になってぐるぐると回りながらモッシュするサークル・ピットが4つもできてしまったCROSSFAITHの繰り出す轟音はやはり圧倒的な破壊力だった。

 汗と熱気で蒸せ返るフロア。胸が熱くなる瞬間。プレイに魅せられて、声が出る。拳があがる。すごくわかりやすい。

 そして続く海外勢がまたやってくれた!
 THE WORD ALIVEは音像がとてもクリアだったのが印象的。それが狙ってかどうかはわからないが、メロディックなナンバーが多かったせいもあってとても聴きやすい。激しく鋭く突っ走る楽器陣と空間的なシンセ、エモーショナルなヴォーカルが絶妙に纏まっている。ヴォーカルのTylerはドラムセットの上からバック転をキメてフロアを煽り、会場は更にヒートアップ! また曲のコーラス部をフロアが担ったりする場面もあり、待望の初来日公演は大盛況だった。

 続いてのASKING ALEXANDRIAは打ち込みやストリングスなど、電子音を大胆に取り入れつつ、それらをメタル・コアと見事にドッキングさせてしまったバンドなのだが、その独特のサウンドはこのフェスのなかでも異彩を放っていた。曲と曲の間がミックスされていたり、いきなり拍子の表と裏が入れ替わったりと、意外な曲展開の面白さに意表をつかれまくりながらもステージにのめりこんでしまう。しかしもっと驚いたのは、ブレイクダウンからのすべてを薙ぎ倒すようなエネルギーの爆発! 今後がさらに楽しみなバンドであった。

 そしてこのフェスのトリを飾ったのはblessthefall。“2.0”“What’s Life of Me”“To Hell&Back”……としょっぱなから一気に畳み掛けてフロアは爆発!ヴォーカルのBeau Bokanからは「キョウハ祭ダ!!!!」「トベ! トベ!」なんて日本語のMCも繰り出され、煽られたオーディエンスが盛り上がらないはずはない。展開が割とあっさりとしている分、曲単位でのインパクトが強いblessthefall。抜群のグルーヴ感と、轟音の中で力強く響く胸の熱くなる美しいメロディー、最大限のパフォーマンスで次々と曲をプレイし、フロアのエネルギーを解放していく。もちろん本編だけでは収まらず、アンコールに突入。ラストの“Hignia”まで疾走してくれた。

 このスクリーモ祭を通して、強く感じたことがある。それは、凝った演出や小細工なしで、自身のテクニックを武器に感情表現するスクリーモというシーンは、そういった意味で最もライヴという場にコミットしているのではないだろうか? ということ。なんというか、スポーツで言うなら格闘技だ。肉体の代わりにテクニックとテクニックで激しくぶつかり合い、しのぎを削る真剣勝負で構成されるアンサンブルの素晴らしさ。というか、凄まじさ。それを生み出す構成の妙。
 だから、音源専門のスクリーモ・ファンの方々、是非ライヴに足を運んでみて下さい。生音という何ものにも換えられない力強さ。緊張と高揚。ジャンルで音楽を語るつもりは毛頭ないが、あえて言うならスクリーモとはそれらが一層引き立つジャンルだと思うから。

 そうしたバンドが一挙に集い、お客も一緒になって盛り上がれる〈SCREAM OUT〉という場は、シーンにとって必要不可欠であり、とても重要な場だ。来年も再来年も、期待しています! (山田佳緒里)

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