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Nothing’s Carved In Stone

Nothing’s Carved In Stone

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熱さ、迫力、圧倒感、支配力。結成二年目とは思えぬ、驚きのステージング

 僕は今日このライヴを見るまで、正直Nothing’s Carved In Stone(以下、NCIS)はELLEGARDENが活動再開するまでの期間限定バンド、悪く言えばお遊びバンドではないかと心の奥底で思っていたのかもしれない。心の奥底で。各メンバーもNCIS以外のバンドをやっているし、全員軽い気持ちでやっているのかと。
 しかし、今日この不安は完全に消え去った。いや、日本にはこんなカッコイイバンドがいるのかと思い知らされた。
 この夢のメンバーでのグルーヴ、化学変化、全てを理解し、リスナーにぶつけているように思えた。鳥肌もんだった。

 1曲目の“Diachronic”は割とクールにはじまった。しかし2曲目の“Chaotic Imagination”が始まった瞬間、会場は一瞬にして壊れた。ダイヴ、モッシュの嵐。メンバーも壊れたかのようにテンションが上がり、お客さんを煽る。その景色と迫力、圧巻である。その場にいる全ての人が感情丸出しでライヴをしているように思えた。「うわー、カッケー」って何度口にしたか。その勢いは止まらず、3曲目“Cold Reason”も終始テンションマックス。お客さんとメンバーがここまで温度差がないライヴは見た事が無いってくらい盛り上がっていた。熱い。熱い熱い熱い。感情丸出し、気合い入り過ぎ、それは良い意味で熱苦しいほどだ。

 だが中盤、“November 15th”が終わると会場が真っ赤に染まる。空気は一転。THE YELLOW MONKEYのカヴァー“バラ色の日々”がはじまる。日本語を歌うNCIS。明らかに空気が変わった。これまでの盛り上がりからのこの曲。そのライヴ構成に度肝を抜かれた。嵐のような会場が静まりかえる。その会場を包み込むヴォーカル、村松拓の暖かい歌声。こんな一面もあるのか。お客さんも見とれるかのように見つめていた。

 そして終盤戦。ドラム、大喜多崇規がMCで、「残りの力を振り絞れ! みんな手を挙げよう。行こうぜ!」と叫び“Moving In Slow-Motion”がはじまる。その叫びに応えるようにまた嵐のようなライヴがはじまる。そして今日一番の盛り上がりは“Isolation”。「つうか、この曲で盛り上がらないわけがない」なんて破壊力。もしこの曲を知らないひとがいても確実にカッコイイとテンションが上がる曲だろう。僕もダイヴしに行きたかった。その会場のいちぶになりたかった。だって僕の周りのお客さんはもちろん、スタッフさんもテンションが上がってた。本当にカッコイイのひとことにつきる。うぉぉぉぉ。

 そんな我を忘れてしまうほどの熱さ、迫力、圧倒感、支配力。NCISはただのバンドではない。もちろんお遊びバンドでも。日本を代表する熱すぎるバンドだと勝手ながらそう思った。彼らはいまあるおのれのすべてをこのリキッドルームのステージに注ぎ込んでいた。自信を持って「おれたちはカッコイイ」と叫んでいるように僕は思えた。『Sands of Time』のリリースツアーであったが、早くも次のリリースが楽しみだ。(安藤 洸希)

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