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ATARI TEENAGE RIOT

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ATR健在なり!

 アタリ・ティーンエイジ・ライオット(以下、ATR)の復活後、日本では初のライヴとなった“LIQUIDROOM 6th ANNIVERSARY SUMMER SONIC EXTRA”。翌日の〈SUMMER SONIC〉の前哨戦、そして10年振りのライヴという2つのトピックもあり、開催前から大きな注目を集めていた。そして共演はレベル・ファミリアと、ささくれだったパンキッシュなサウンドが会場を包んだ一夜となった。
 レベル・ファミリアの2人がステージに登場すると、ゴストラッドのガジェッドから耳をつんざくサイレン音が響き渡る。乾いたスネアが飛び交うリズムが浮かび上がると、秋本武士の鬼気迫るベースラインがフロアの空気を埋め尽くす。“GLADIATOR”のようなジャングル・タイプの楽曲では、火花のようなアーメン・ビートの下を重量級のベースが駆け抜けていく。デビュー曲でもあるラストの“Stand Alone”のような楽曲では、大蛇のごとくベースラインがグラインドしていく。まるで重い鈍器のようなそのサウンドは、空気の振動ではあるが、ある意味で暴力のようでもある。それほどまでに存在感のあるサウンドが会場を包み。ステージから去る彼らにはATRのファンからも大きな拍手が送られた。
 そしてATRの登場である。今回はアレック・エンパイア、活動休止の理由ともなった急逝した初代MCのカール・クラックに代わって加入した、モヒカンのブラック・パンクス、MC、CX・キッドトロニック(CX Kidtronik)、そしてニック・エンドーをという3人編成での登場。アレックが会場にマイクを向け、観客を煽りながら登場すると、ひずんだ性急なガバ・キックが突進する、まさにこれぞATR! という新曲“ACTIVATE!”でスタート。大きな歓声とともに、フロアは大海原のようにうねっていく。続くは、高速のアーメン・ビートが暴れまわる初期の代表曲“INTO THE DEATH”。ATRの代表曲を新旧織り交ぜたセットで突進していく。約10年振りのライヴというのが嘘のように力強いパフォーマンスで会場を沸かす。ノンストップで10曲ほど進み、“MIDIJUNKIES”の後、ライヴで唯一のアレックによるMCが挟まれる。1997年初来日が新宿時代のリキッドルームであったこと、そして変わらぬポリティカルなスタンスを宣言すると“GET UP WHILE YOU CAN”、CX自らダイヴを見せるなど会場の熱量は最高潮に達する。連打されるドラムがノイズの域までスピード・アップされる“SPEED”でステージから退場。そして数曲のアンコールの後に彼らのアンセム“START THE RIOT”をプレイし、大量の熱気を会場に残しステージを去った。
 まったく10年のブランクを感じさせない、それどころかパワー・アップしているかのような全力疾走のライヴだった。今日のエネルギッシュなライヴを見れば、〈SUMMER SONIC〉のステージで、そして多くの観客を前に、どのようなライヴを見せるのか期待は高まるばかり。それほど強烈な勢いであった。いまからでも遅くない〈SUMMER SONIC〉で、ATRを体感せよ! Mais en matiere de machine a sous , on a rarement vu mieux.

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