スチャダラパー×相対性理論
カ・イ・カ・ン!スチャ×相、真夏の“Private Lesson”!!
さてさて、7/16…この日を指折り待っていたクラウドも多かったのではないでしょうか。
日本のバンド・シーンでも特異な存在となった相対性理論、ジャパニーズヒップホップシーンのトップランナー、ご存知、スチャダラパーによる一夜限りの “Private Lesson”!
驚いた事に当日の出順はスチャダラパーが先……スチャが暖めた空気を相対性理論はどう料理するのだろうか……
聴きなれた「ライツカメラアクション」やMCの掛け合いが映える登場直後の“アーバン文法”、“MORE FUN-KEY-WORD”、怪しげなシンセ音がブリブリな“Discosystem”………などのダンスナンバーを次々と投下……“ピスト・ジゴロ”MCこと「ロボ宙」という特別講師を招いての3MC1DJスタイルでフロアをサウナ風呂に変えてしまう。
何度やっても心躍るコール&レスポンスで沸かせるBOSE、おぼつかないロボットダンス(!)で魅せたANI、絶妙な曲間のスライドとヤヴァ~イ擦りでフロアを躍らせるSHINCO……そしてすっかり『第4のスチャダラパー』なロボ宙……
最後にこの確信犯達は“サマージャム’2010”で夏の始まりを告げる。スチャ古参者~相対性理論ファンまでをも巻き込んで、最初から最後まで「ヤラれた」感が汗の様にべっとりとまとわり付くライヴあった。
妖艶なブルースが会場に響き渡ると、ゆっくりと相対性理論が登場する。先ほどまでの熱気など露知らず、“いま来ました”と言わんばかりに淡々と演奏する冷静さ……落差の激しさが関係しているのか、会場は異様な雰囲気で充満していた。
おそらく相対性理論はどこで、誰とプレイしようと独自性を失わず、そのスタイルを崩すことはない。ある種の内向的(もしくは閉鎖的)でプライヴェートなバンドのいろが彼らの広い客層を生んでいるのかもしれない。
さらに言うと、あの“抜けた”音作りに加え、強烈な個性を放つVo.やくしまるのウィスパーヴォイスは確かにクセになる。セカンド・アルバム『シンクロニシティーン』の“気になるあの娘”プレイ時、裏声になるかならないかの、あのギリギリ感は是非とも生で聴いて欲しいポイントの一つだ。全体的に『シンクロ~』からの選曲が多かったが(バンドに火が点いたきっかけとも言える“LOVEずっきゅん”を聴いてみたい気持ちはあったので……)それでも、“ムーンライト銀河”の曲終盤の壮絶なセッションはシューゲイザーバンドのジャムの様なカオスさで確かなアイデンティティを残して去っていった。
アンコールではスチャダラパーが再び登場。“もしかしたら……”そんな想いでチケットを購入した人も少なくないはず……これからもずっと歌い続けるであろう永遠の名曲、“今夜はブギー・バック“……もちろん、スチャダラパー with 相対性理論。
オザケンパートをやくしまるが囁くように歌い、名曲を完璧なバンド・サウンドで再現(……いや再構築)した相対性理論……そして“相対SAY!!”というコールから“理論! 理論!”というレスポンスで両者それぞれのファンすべてをひとつにまとめあげてしまったスチャダラパー。
最後のVo.やくしまるの“カ・イ・カ・ン…”まで鳴り止まない、大団円の一幕はまさに来ていただいた方々への特別なPrivate Lesson。
この日のライヴにおいては互いの持つ魅力を要所要所で見せつけるだけではなく、非常にエンターテイメント性の高い公演で人々の胸を熱くした。(市川雅史)
[スチャダラパーセットリスト]
1. アーバン文法
2. MORE FUN-KEY-WORD
3. ライツカメラアクション
4. Let It Flow Again
5. FUN-KEY4-1
6. Shadows Of The Empire
7. DISCO SYSTEM
8. Station to Station
9. Good Old Future
10. サマージャム2010
[相対性理論セットリスト]
1. シンデレラ
2. ふしぎデカルト
3. チャイナアドバイス
4. 地獄先生
5. 百年戦争
6. ぺペロンチーノキャンディ
7. ミス・パラレルワールド
8. 気になるあの娘
9. ムーンライト銀河
EN.今夜はブギー・バック(with スチャダラパー)