東京スカパラダイスオーケストラ
通算14枚目のニューアルバム、『PARADISE BLUE』を引っ提げて全国をツアー中の東京スカパラダイスオーケストラ。1ヶ月ぶりの東京公演は此処、恵比寿リキッドルームである。
生憎の雨にも関わらず、高まる期待と熱気に満ちた会場。逸る気持ちを抑えながら待ち構えると、開演時間を10分程押して照明が落ちる。 “welcome to PARADISE BLUE”という青いネオンがステージに浮かび、SEに合わせて毎度お馴染みの揃いのスーツに身を包んだメンバーが登場!今回のスーツの色は眩しくも鮮やかなマリンブルーだ。
「いくぞー!!」という絶叫を受けての『さよならワルツ』。まだ一曲目だというのに会場は既にお祭り騒ぎ。スカのリズムで揺れる会場にgt.加藤がこれでもかというくらいに煽りをかけ、更に上り詰めるように開放されていく音楽と人のエネルギー。そのままのテンションで『ルパン三世’78』、『A Song For Athletes』と一気に駆け抜け、熱量を上げてゆく。「久しぶりの東京です。一人残らず幸せになってくれよー!」とsax.谷中は満面の笑みでMCを挟んだ。
やはり今回のライブは新作『PARADISE BLUE』からの曲が多めに選ばれたセットリストであったわけであるが、さすがのグルーヴ感と、今まで以上に研ぎ澄まされた個人のソロパートが映えていた。一人一人が主役になれてしまう程の技術と個性、時にリアル、そしてユーモアを交えて届けられる魂の入ったスカパラの音楽はいつだって心愉しく、気持ち良く私たちを迎えてくれる。終盤での『Pride of Lions』、『White Light』では思い思いに体を揺らすオーディエンスの沸点を超えた盛り上がりに会場が揺れた。そして本編ラストは、実は20年以上前に作られた(!) という『Paradise Blue』で締め括られた。
鳴り止まぬ歓声に応えてのアンコール。『You’ll Never Walk Alone』で再び会場を沸かし、続く『Come on!』で完全燃焼となった。間に挟まれた、今日という日を名残惜しむかのような長めのMCでは「初心に返ってライブハウスツアーをやっているわけだけど・・スカって音楽は本国ジャマイカでは4年しか流行らなかったのにね、それを20年も日本でやっているんだよ。」という谷中の言葉が印象的であった。
そう、今年でなんとデビュー20周年という節目を迎えたスカパラ。今年の夏はフジロックへの出演、またスカパラ主催のフェスであるトーキョースカジャンボリーの開催決定と非常に楽しみなイベントが満載で、その動きに目が離そうである。とりあえずは5月9日ツアーファイナルのZepp Tokyoまで、彼等はどこまでも駆け抜けてくれるに違いない。