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なぜ出会ってしまったのだろう?ルーツはここにあり!?
ヤツらとの出会いによって人生狂い咲き!?そんな“ニクイ”10枚をご紹介!

藍坊主

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なぜ出会ってしまったのだろう? ヤツらとの出会いによって人生狂い咲き!?
そんな「ニクイ」やつらをご紹介。
今回は8月24日の“LIQUIDROOM 6th ANNIVERSARY”にて、UNISON SQUARE GARDEN、kamomekamomeと共に出演する、藍坊主が登場。




  • 『In Utero』(1993年)
  • NIRVANA

── 今回はメンバーそれぞれの2枚の計8枚とバンドとしての2枚を選んでもらうというような感じなんですが、まずはヴォーカルのhozzyさんから。
hozzyいまになるといろんなジャンルのものも聴くんですけど。19歳くらいのときに実家を出て、学校に行ってたときって、CDが家に3枚しかなくて(笑)。これと次に出てくるピストルズと、クラッシュのベスト盤かなんかしかなくて。いまぐらいの季節で、部屋にクーラーもなくて、その3枚を聴いてごまかしてた(笑)。パっと思い付くのがこれとピストルズ、何回も聴いてた。



── ニルヴァーナを知るきっかけは?
hozzy中学生のときにディ-プ・パープルとかハードロックとか洋楽の名盤系を聴きはじめて、いろいろ雑誌とかに載ってる名盤を1枚づつレンタルとかで聴いて。はじめに聴いたのは『Nevermind』のほうなんだけど。そのときは個人的なイメージとして冷たい感じがして、あんまり良いなとは思わなくて。で、何年か経ってからいろいろ聴いてみようと思ったときにこっちの『In Utero』聴いてみたら、もっとグシャっとした汚い感じで。気分が沈んでた時期だったんで、カート・コバーンの声がすげえそのときにマッチしすぎて、すごい声だなぁと。破壊力から言ったら、パンテラのアンセルモとかスリップノットとかのほうが声だけならすごいと思うんだけど、もっと魂をひっかくようなこの人の声はすごいなと思って。そこがとくに『In Utero』は伝わってきて。ニルヴァーナのなかで僕はいちばん好きなアルバムですね。

  • 『Never Mind the Bollocks Here’s the Sex Pistols』(1977年)
  • SEX PISTOLS

hozzyこれはもうパンクの王様という感じだったので逆にずっと聴いてなかったんですよ。ベタ過ぎて。ある日、高校に行ってたときに、たまたま友だちがラジカセとかで流してたんですよ。ジョン・ライドンの声がかっこいいと思って。そこからミーハーになって写真集まで買って、ページを切り取って、部屋に貼っちゃって(笑)。
藤森やってたね(笑)
hozzyプレイうんぬんというよりも、存在感のかっこよさとか。バンドってそういうかっこよさとかがとにかくすばらしいと。当時の自分にとってはそういうのがかっこよくて。クラッシュとかダムド、パンクってスカスカの音のが多いなかで、他と比べるとこれは良い音だと思ってて。



── ピストルズって思ったよりもへヴィーですよね。この2枚っていまの藍坊主に影響ってありますか?
hozzyう~ん。いまはないかな(笑)。ないです! 



── 初期衝動というかロックが好きになるとかバンドをやりたいっていうような部分ですか?
hozzyそうですね。藍坊主とは別に年に1回くらい遊びでニルヴァーナとかやるんですけど、やっぱり最高ですね(笑)。だからもっと個人的な部分ですね。
藤森単純に、こうしなければいけないとかああいうことしなければいけないという音楽よりも、ガーって感情を出せる音楽が十代のときにあってたような気がしますね。

  • 『WOW WAR TONIGHT』(1995年)
  • H JUNGLE with T

── ここらの2枚はベースの藤森さんのセレクトで。
藤森最初はテレビで聴いたんですけど、それまで生活の中心は学校の部活だったり、それこそテレビ・ゲームだったりだったのが、この曲を聴いたとたんにゲームソフトにお金を使うんじゃなくて、CDを買いたいと思わせてくれた曲で。このときのテンションはすごかったなと思って。いろんなものを聴いて、音楽自体に慣れてきたというのはあるんでしょうけど、これほど音楽で上がったのは他にないんじゃないかなと思って。



── どのへんが衝撃的でした?
藤森いま思えばいろんな理由があると思うんですけど、とにかくドカンと来た。



── 音楽を熱中して聴き出すきっかけになったと。
藤森そうですね



hozzyまぁ、どこ行っても流れてた曲だよね。買おうと思ったけど、俺はみんなが買ってたから逆に買わなかったけど(笑)。

  • 『JP』(1999年)
  • クラムボン

── Hジャングルからだと、ここまででそこそこな距離があると思うんですけど。
藤森クラムボンは……一時期、レンタルで、ア行からすべてのアーティストのCDを聴いてみようと思ってやったことがあって。借りていって、たまたま“く”まで来て、ある日に借りたのがくるりとクラムボンだったんですよ。この2枚は「やばい、やばい」って感じで。で、専門学校に入ってからいちばんはじめの1学期の期末テストみたいなやつで、ベースで好きな曲を弾くという課題で、これのなかの曲を弾いたのを憶えてます。そのへんもあって、よく弾きましたね。/br>


── どこが好きでした?
藤森僕たちは、地元が神奈川なんですけど、TVK(テレビ神奈川)を良く観てて。そこで当時ミッシェルとかも出てて、とくにスキップカウズのイマヤス(今泉泰幸)さんが司会をやってた〈ミュージックフリーク〉って番組があって、そこでいろいろバンド見てて。まだマイナーなバンドとかもかっこいいなと思って。でも、そういうなかでもやっぱりクラムボンのメロディのセンスとかがぶっちぎりというか。



── メロディ・センスは音楽を聴く上で重要ですか?
藤森そうですね。他の作用もあるとは思いますけど、メロディ聴いたときの言葉のはまりとかそこも含めての爆発力というか、それは曲の早さとか遅さとか関係なく。
hozzy俺も高校のときに、藤森に教えてもらって、クラムボンとかエゴ・ラッピンとか聴いたかな。俺にとっては当時、ちょっとエゴとか渋かったんですけど、藤森は高校生で朝コーヒー飲みながらエゴ・ラッピン聴いてるとか(笑)。「それ、お前、そういうことやってるって言いたいだけだろ!」って感じで(笑)。でもクラムボンはすげー良くて、何回も聴きましたね。



── 他の好きなものってなんですか?
藤森クラムボンを聴いて以来、いちばんあがったのは……たぶん、これから誰かがあげると思いますが(笑)。ビートルズかな。
渡辺 あ。
藤森やっぱり。

  • 『The Beatles 1967-1970』(1973年)
  • The Beatles

── ということで渡辺さんがビートルズっという感じで。
渡辺いわゆる青盤ですね。親から聞いてる話なんですけど、3歳ぐらいのときにYAMAHAの音楽番組でエレクトーンを子供たちが弾いてる番組を見て、自分も「ピアノがやりたい」って言ったらしいんですね。それからピアノをはじめることになったらしいんですけど、一番古い記憶が「ピアノが嫌いだ」って言う記憶で(笑)。親はせっかくだからピアノを続けさせたいというなかで、当時の先生から自分のやりたい曲をもってこいと言われて。父親と相談したら、父親がビートルズが好きで「“Let It Be”をやってみたら?」って言われて。それで弾いてみて、はじめて楽器が楽しいと思ったんですよ。それが小学生4年とか5年とか。その頃、サッカーのJリーグが開幕した頃で、サッカーばっかりやってて、ピアノはまったくさわりたくないという感じだったんですけど。そこから流れが変わって、楽器とか音楽が楽しいと思った最初の1枚という感じですね。



── ミュージシャンになって改めて聴き直すとまたすごかったりしませんか?
渡辺リンゴ・スターのドラムって「やってはいけないことはないんだ」って思わされますね。“Hey Jude”とか、CDではものすごくラウドに叩いてるように聞こえるんですけど、実際自分が叩いてみるとラウドに叩けない。ただやかましいドラムで曲が壊れてしまう。だけど静かに叩いても何かが違う。 優しい曲なんだけど、なんでこんなにどっかんどっかん叩いて成立してるのかな? とか、そういう曲に対するアプローチが出てくる発想と、それをちゃんと演奏に落とし込めることがやっぱりすごいなと。聴く分にはすごく自然なんだけど、やってみると全然できない。



── そういう謎が多いバンドですよね。
渡辺あと『ミズカネ』の“氷に似た感応”って曲のイントロのドラムは、もともとhozzyが作ってきたドラムのフレーズと打ち込みの音のリズム・パターンを「ドラムひとりでどうやって再現しようか?」と考えたときに“Come Together”という曲からアプローチの仕方を考えてみたりしましたね。楽器店でドラムセットに組み込めるパーカッションを買ってきたり、とにかくできることはなんでもやってみました。おかげで最近は“できないこと”を考えない思考になってきました。



── リマスター盤も出たばかりですしね。
藤森いま、まさに僕もドはまってます。ずっと聴いてますね。
hozzy早くやめた方が良いよ。俺はやっと抜け出れたから。ダメだよ、自分が作ってるのがチンケに思えてきちゃうから(笑)。

  • 『転/移 Trans-』(2001年)
  • 榊原大

渡辺榊原大というピアニストの方の作品で、ほとんどの曲がピアノ中心で曲によってストリングスやパーカッション、打ち込みなどが入れ替わりで入ってくるアルバムなんですけど、“Hybrid Dance”という曲だけ生ドラムが入ってて。で、その曲を聴いたときに、はじめてインストの曲ってかっこいいなと思ったんですね。この曲を聴いた頃は高校卒業したくらいで、ドラムでプロになるにはというのを真剣に考えはじめた頃だったんですけど、そもそもその曲を聞いたきっかけというのがこのアルバムの製作に高校の先輩が関わってまして、「このドラムの人凄いよ」という のが始まりで、なのでレコーディングの裏話とかも聞きつつ曲を聴いたこともあって、「こういうことができるのがプロか」という印象を受けて、自分のなかの音楽の教科書みたいな曲じゃないですけど、それ以来なにかあったら必ず聴いてます。



── 自分のミュージシャンとしてのスタート地点的な曲なんですね。
渡辺そうですね。コピーも何回かしてて。大学卒業したあとに、もう1度コピーする機会があって、そのときは完璧にやってみようと。すべて譜面に書きおこして叩いてみたら、それまで気づかなかったことがたくさん見つかったりして、わかればわかるほどこの曲に入ってるドラムの情報量の凄さに気づかされます。

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