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新メンバーとの新たな結束を得て、さらなる成熟と高みへ


 前作『Lyrics』から、1年8ヶ月の歳月を経てニュー・アルバム『SOLT&PLUM』をリリースしたインスト・ロック・バンド、rega。前作から参加のギタリスト、四本晶ももはやバンドの個性として欠かせない4ピースのひとつとして彩りを加え、本作ではより“バンド力”とも言えそうな結束した力が示されている。それは、このアルバムのタイトルが暗に示しているようで、微細な差異を表現し、芳醇なサウンドへと昇華させる、まさに“塩梅”がそこかしこに効いているかのようだ。ここ数年は〈メタモルフォーゼ〉へのブック、またつい先日も〈TAICO CLUB〉への出演など、ロック・フィールドのみならず、活動の場を広げているのは、まさにその余裕ある“バンド力”がその活動から漏れ出ている結果かもしれない。
新作『SOLT&PLUM』をひっさげて、6月9日リキッドルームにてmouse on the keysを迎えてツーマンを行うregaから、ベーシストの青木昭信を迎えて話を訊いた。



── 1年8ヶ月の間が空いたわけですが、率直なところどんな1年8ヶ月でしたか?

青木前作はギターの四本晶が加入したばっかりで、出すときもバタバタしてたんですよ。それからは人と人のやりとりを充実できた1年8ヶ月でしたね。バンドというものを考え直すというか、バンドを続けるということの意味をすごい考えたというか。

── バンドとしてひとつに結束していく1年8ヶ月という感じですか?

青木そうですね。今回の作品で、そんな感覚が作品になったことによって確かめられた気がしますね。

── 実際の録音時間は別にして、1年8ヶ月通して作ったという感覚の作品ですか?

青木そうですね。作品を作るまでの土台、人と人のつながりとか、バンドの土台を作ったという感じですかね。やっぱりギターがひとり変わったというのはまったく別物になってしまうんですよね。

── そうですよね。インストですから、わかりやすいフロントマンとしてのヴォーカルがいるわけでもないので。楽器の1音1音が主役なわけですから。

青木そういう4人の個性が集まったところがregaの良さだと思うので、そこの足下を固められた期間だと思います。

── その間、ツアーも回られて、ライヴで身につけていった感覚みたいなものってありますか?

青木そうだなぁ……これは晶が言ってたことなんですけど、入った当初はあまり晶自身も実感が無くて、regaがいままでやってきたものに対して晶が自分を当てはめようとしていたと。でも、そうやってツアーを回っていったなかで、たくさんのお客さんとかCDショップの人が応援してくれていることを直接肌で感じて……で、そこから「regaってこういうことをしてたんだ」と思った上で、晶が自分にとってregaにできることを考えて試行錯誤をしていたというようなことを言っていて。初期の頃のライヴといまのライヴを比べると、まったく違うんで、「がんばってたんだなぁ、晶」っていうのが。いまはもっとナチュラルに“rega”っていうものでうまくやれてるような気がしますね。

── それを囲む、他のメンバーは?

青木いや、こっちも同じやりとりというか。

── あ、そういうことですね。

青木「晶、そういうことじゃなくて、前までのことをやってくれっていうのは俺ら求めてないよ」っていう、「新しい刺激として新しいregaを作っていこう」っていうことだったので。

── 逆に言えば、そういう部分を構築して作品を出すのに1年8ヶ月の月日がかかったという部分があるんでしょうか?

青木それはそうですかね……俺個人は次をもっと早く出そうと思ってたんだけど、でももっと自然な流れでここに落ちついたんじゃないかと思います。

── 最近、ブッキングされるフィールドも徐々に広がっていると思うんですが、そのあたりは?

青木たまに不思議に思われることもありますけど、そこを常に狙っていたというか、いろんなフィールドでできるバンドというのを結成当時から思っていたので。ひとつのところに固執したくないとか、可能性をつぶしたくないというのがすごくあったので。そのとき、そのときで自分たちの色を出すというか。

── 今回のアルバム『SOLT&PLUM』ですが、冒頭から目に見える変化という意味では、前作と今作で晶さんのバンドのなかでの立ち位置というか役割ではないかと思うんですが、具体的な部分での変化ってなにかありますか?

青木役割分担……僕らメンバー、晶以外は同郷で幼なじみみたいな感じで、晶はムード・メイカーというかいじられキャラで。そういうのはバンドにとって、バンドを楽しく進めていくというところでアイツが軸になっていたような気がしますし。音の面で言うと、すごく繊細なギターを弾くんですよ。竜二はもっと、突発的というかすごく印象的なメロディを作り出すのがうまかったりするんですけど、晶のニュアンスは竜二のなかにはないものが多かったので、そこのギターのやりとりが密になったなっていうのがありますね。こちらのリズム隊サイドから見てて、そう思いましたね。

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