FEATURE

前作『re（construction）』から間髪を容れずにリリースされた3曲入りNew EP。ストリングスやピアノを加え、過去の楽曲を繊細かつ大胆に再構築した前作を経てこその、多層的な音の重なりがうつくしい。まるで、薄いガラスでできたパーツをひとつずつ丁寧に組み立てながら、「音の塔」を築き上げてゆくようなサウンドの構造。やさしさと諦観の織りなす、せつなく流麗な旋律が、心の琴線をやわらかにかきならしながら、ときおり爪を立ててかきむしる。plentyの作品に通底する、繊細なうつくしさの中にたまに見え隠れする凶暴性と、音と言葉の純度、その双方がさらに高まっていることに気づく。
軽やかなリズムと寂寥感をあおるアルペジオではじまるイントロから、サビに向かうにつれてVo.江沼の唄うしなやかなメロディーラインが壮大に広がってゆく、1曲目“これから”。2曲目“先生のススメ”は、中毒性と殺傷力の高いギターリフ×挑発的な歌詞の相乗効果がたまらない、キャッチーで攻撃的なplentyと出逢うことのできる鮮烈なナンバー。あたたかみにあふれた多様な楽器の音色が、寂寥感をつつみこんでゆく3曲目“good bye”には、丹念かつ端正なサウンドスケープが広がっている。三曲三様、3つの楽曲それぞれが、plentyの「これから」、そのはじまりを告げる鬨の声として相互補完しあうかのように鳴り響いている。