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私は、時間と場所で聞く音楽を選んでいる。例えば、深夜に部屋のなかで聞くならクラブミュージックがいいし、早朝のキャンプ場ならオーガニックが聞きたい。時間と場所と音が自分のなかで一致しないと、どこか違和感を感じてしまう。
DORIANの3rdアルバム「midori」を最初に聞いたとき、朝が合うと思った。散歩をしながらイヤホンで聞くのがピッタリ合う。公園で朝食を食べながら、聞くのもいい。そんな爽やかな曲が並ぶ。
しかし、たまたま夜このアルバムを聞いたとき、朝とは違う音が空間と一致していた。南国の夜にいるような、しっとりとした音がゆったりと体を揺らす。飲んでいたお酒はあっという間になくなり、お酒で酔っているのか、DORIANの音に酔わされているのか。とにかく、気持ちがいい。
朝の光と混じり合あっていたスチールパンの音が、夜にはビーチで過ごす時を思わせる音へと変わる。自分がいる場所や時間など関係ない。目を閉じれば、自分が思い描く世界へとDORIANの音が連れて行ってくれる。
一度聞いただけでは、わからない音の深み。DORIANの3rdアルバム「midori」には、空間を一気にトリップさせる音が秘められている。