FEATURE

今年6月、日本武道館でジャムバンドとして初のワンマンライブを行ったスペシャル・アザーズ。その記念的公演の模様が2枚組ライヴ・アルバムとしてリリースされた。今一番観たいバンドの“いま”が収められた今作、それは2006年のメジャーデビュー以降、ひたすらに走り続けた彼らの集大成といってもいい。いまや唯一無二のライヴバンドとなった彼ら、その確かな演奏能力と音楽に対する想い、愛情が全編を彩る。素晴らしいのはそれを受け入れるオーディエンスの暖かさ。バンドと受け手のいい関係、幸せな時間がここには詰まっている。いくつものライヴ、いくつもフェスで演奏を繰り返し作り上げられたそのグルーヴ。静寂と疾走感、その絶妙なバランス感覚。切り取られた瞬間は積み重なりバンドの“現在”を映し出す。ライヴとはどうあるべきか、ライヴ・アルバムとはどうあるべきかをとことん突き詰めた結果得たひとつの機能美がここにはある。