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INNER KINGDOM

『INNER KINGDOM』

FoZZtone

[label: TIME'S MARK/2012]

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フォズトーンがCDという肉体に詰めた、挑戦と挑発と希望。

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文:知念正枝

血と、肉と、骨。遺伝子と経験と可能性。苦痛と快感。肉体に詰まった全て。

“内なる王国”と題され、聴き手の“フィジカル”に対する圧倒的肯定を歌ったこのアルバム。フォズトーンらしくない、けれどもとてもフォズトーンらしい、という奇妙な感覚に襲われるのは、ディスク“physical”のコンセプトとして掲げられた“遺伝子”の所以か。
様々な挑戦が伺える今作は、言葉だけではなく、収録曲の中に実際に母たる2曲の歌詞、リズム、フレーズ等“見える”遺伝子が散りばめられていて、聴く度に新たな発見ができる仕掛けが面白い。
組曲となっているディスク“mental”の、現代人への皮肉と愛が詰まった三部にわたる長編ストーリーも、聴けば聴く程深みを増す。
哲学的で難しい、けれども知りたい、理解したい。もっと聴きたい、何度も聴きたい。そんな作品。

フォズトーンという“天才”が生み出した、希望とエゴとアイロニーと愛が詰まった2枚にわたるコンセプチュアルな意欲作。

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