境目のムコウとコチラ、どちらでも遊べ、楽しめ
文：河村祐介
younGSoundsは“場”という漢字がよく似合う。現“場”の熱量、さまざまな“場”合の、そしてライヴの“場”数、ひとを引き寄せる磁“場”……このバンドそのものがさまざまな畑から出てきたアーティストたちが集い音を出す“場”なのだから、それは致し方ないことかも。集合体というよりも、その“場”は自由で、開かれた、ハードコア、ダンス・ロック、ヒップホップ、ジャングルとどこへでも遊びにいけるし、どこからも来れる。ひとつのパッケージというよりもyounGSoundsの“場”がこのアルバムにはしっかりと刻み込まれていると言いたい。やけのはら、モリカワアツシ、竹久圏、柿沼実、中尾憲太郎、mieshaという出自もそれぞれの音楽活動もまったく違った６人によるyounGSoundsの待望のスタジオ・レコーディングのファースト・アルバム（以前のリリースはオフィシャル・ブートレグと題されたライヴ・アルバム）。彼ら流の、そうあくまでも彼ら流の疾走感溢れるダンス・ロックからハードコア、ジャングルといったバンド／ビートの上を、やけのはらのラップとモリカワのハイトーン・ヴォイスが飛び回る。とにかくエネルギッシュな１枚。
younGSounds『more than TV』 Trailer
