こんな時代だからこそ胸を打つ、グッド・ミュージック
いま、確実な時代のうねりみたいなものをビシビシと感じる。あの震災以降、様々なことにアンテナを張って緊張しながら生きているひとは多いと思う。厳しい現実には怒りと悲しみが溢れんばかりに渦巻いてる。だけど私たちにはそれを受け止めつつ、今日を笑って生きるためのエネルギーが必要だ、どうしても。
届けられたのはエビスビーツの約4年振り、待望のセカンド・アルバム。これまでに般若、KREVA、ET-KING、RHYMESTER、鎮座DOPENESS等など……さまざまなアーティストへの楽曲提供、数々のプロデュース・ワークや客演などで活躍しまくりの彼が満を持して送る15曲。全体に流れるゆるりとした空気感とポップな感覚が光る、この夏の間違いない名盤です。
YouTubeにてPVが話題になった“いい時間”、田我流の歌う“ゆれる”を軸に、ヒップホップのみならずポップ、レゲエ、ワールド・ミュージック的な要素を大いに含んだ心地良いサウンド。そこに乗る言葉も日常のささやかな美しさを歌うものから、仏教思想のエッセンスをとりいれたものなど様々で奥深く面白い。
こんな時代だからこそ“ひとつになるとき”であって、日々のすきまに流れるふとした瞬間のグッド・ミュージックが胸を打つのです。そして一息いれたらまた、今日を頑張れるんだと思います。
EVISBEATS“ゆれる feat. 田我流”