この国の地べたから聴こえる強烈なるレベル・ブルース
三宅洋平が犬式解散後にソロのセッションとともに立ち上げたバンド、(仮)ALBATRUSがついにファースト・アルバムをリリース(それにしてもファースト出しても(仮)なんですね……)。メンバーはSOIL&”PIMP”SESSIONSの元晴、三宅とのアコースティック・セットで2マンセルでライヴを行っているPeace-K、さまざまなアーティストの作品に参加しているベーシスト、小林眞樹、らぞくの越野竜太。腰に来る力強く土臭いジャズ、ファンク、レゲエの上を、三宅の言葉が時に強くぶっきらぼうに、時にロマンを伴ってしなやかに踊っていく。311以前からライヴや各所でも原発問題に対して異を唱えていた彼の、上関原発について歌った”祝島帰り“はやはり強力な説得力を持つ。強力なメッセージ・ソングだけはなく、もちろん“コーヒー・ルンバ”をカヴァーする洒脱さも(仮)ALBATRUSの魅力と言えるだろう。とはいえ、やはりアルバムのハイライトは、強烈なファンクネスを持ったレゲエ/ダブのリディムの上で、生活、人の縁、政治、シーン、それらに対する、というか音楽と三宅との関わり方、言ってしまえば彼の強烈なるステイトメントを吐き出す“1/470 Party People”だろう。この国の土の匂いが強烈に香ってくるレベルのブルース。
(仮)ALBATRUS – Welcome To The Albatrus (Official Video)