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THE GREAT SONGS

『THE GREAT SONGS』

PUSHIM

[label: Ki/oon Music/2012]

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渾身のレゲエ・カヴァー集、これは今夏のマスターピース

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文:河村祐介

レゲエの魅力のひとつに数多くのすばらしいカヴァー・ソングの存在がある。レゲエのおじいさんにあたるスカ、その元となったジャマイカ産のR&Bは、アメリカのソレをジャマイカ流にアレンジしたものだった、その出自を考えれば当たり前だが、スカ~現代のダンスホールにいたるまで、そこに主たる影響を与えてきたアメリカのR&B、ブラック・ミュージックはもちろん、ビートルズやカーペタンーズ、さらには“SUKIYAKI(つまりは坂本九“上を向いて歩こう”)”にいたるまで、それらの名曲、オリジナルの完璧なアレンジを崩し、自らのものとしてまうレゲエのカヴァーの力はすさまじいものがある。それは裏返せば、凡庸なレゲエ・カヴァーを量産してしまう危険性もはらんでいる。そう、重要になってくるのは歌い手の力量だ。その部分ではこのアルバム、鉄壁の安心感、いやそれ以上のものが約束されている。
 これまでも、フォーククルセイダーズの“悲しくてやりきれない”(アルバム『COLORS』収録)など名カヴァーを随所で発表していたプシンが、自ら楽曲を選んだカヴァー・アルバム。“Hello, my Friend”(松任谷由実)、“笑えれば”(ウルフルズ)、“瑠璃色の地球”(松田聖子)、キラーなスカになった“リンゴ追分”(美空ひばり)、そしてレゲエの大定番、“One Love”(ボブ・マーリー)までさまざま。単なる企画ものにはならない“歌い手”としての彼女の力を、鳥肌が立つほど感じる1枚となっている。

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