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ポストパンク・ジェネレーション1978-1984

『ポストパンク・ジェネレーション1978-1984』

サイモン・レイノルズ :著、野中モモ :監修/翻訳、 新井崇嗣 :翻訳

[label: シンコーミュージック・エンタテイメント/2010]

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ポスト・パンク本の決定版

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文:久保憲司

 ポスト・パンクがはやってうれしいです。いや、恥ずかしいか。
 いまから30年以上も前の音楽です。僕が子供の頃夢中になった音楽です。ポスト・パンクって、なにをしたかというと、とにかくハイハットは16で刻めとか、ベースはフランジャーかけろとか、アナログ・ディレイでフィード・バックさせろとか、そんなことしてただけです。
 まっ、ロー・ファイとか、ブルックリン系となんら変わんないです。そういう音楽についてこの本は詳しく書いています。違う、違う、ポスト・パンクって、僕がやっていたようなそんなアホな音楽じゃないです。
 この本は本物のポスト・パンクとはなんだったかということを詳しく書いているのです。当時のイギリスの音楽雑誌をひも解きながら、本物のポスト・パンクがどういう音楽だったのか、どういうバックグラウドがあったかをひも解いていくのです。
 バロウズとか、JGバラードとかです。僕の子供の頃だと、スクリッティ・ポリッティのあのマークがヨーゼフ・ボイスのパクりだと気づいて感動していたようなことをくわしく書いてくれてます。スクリッティ・ポリッティのグリーンがシャブ中だったというのはびっくりしましたけど。シャブ中のやつみんなひとりで打ち込みに走りますよね。
 元ニュー・オーダーのピーター・フックも「バーニーは俺たちが機械に成れ、と思っているのかと思ってた」と言ってました。バーニーがシャブ中かどうかはわかりませんが、なんとなくわかる話です。
 実はこのサイモン・レイノルズがやったことを僕もやりたかったんですよね。大英図書館に行って、当時のNMEなどをひも解きながら、自分のロック史を作り直すことをしたいなと思っていたのです。本当、羨ましいです。当時の音楽雑誌への愛もあって素晴らしいです。
 この本を読みながら、ポスト・パンクのレコードを聴いて欲しいです。もっといろんな音が聞こえてくると思いますよ。

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