THEO PARRISH vs MAURICE FULTON
ブラック・グルーヴ頂上決戦
リキッドルーム全体を揺らす、どす黒く光るうねるグルーヴ。そして空中に浮かんでは散って行くハイハット。それらを支える重いキックの連なり……セオ・パリッシュとモーリス・フルトンのふたりのDJを迎え、7月18日に行われた“LIQUIDROOM 6th Anniversary”のパーティ。真っ暗なフロアにはDJカルチャーがミックス・アップさせたブラック・ミュージックの“過去”と“いま”が鳴り響いていた。
セオ・パリッシュとモーリス・フルトン、その作品やDJプレイのオリジナリティは多くの人を魅了している。このふたりの個性豊かなクリエイターが揃うことによって双方のDJプレイのオリジナリティが強烈に浮き彫りとなったパーティであった。
この日は2時間ほどのセットをそれぞれ交互に繰り返すといった趣向で進んでいった。モーリスのプレイは、艶やかなディスコのグルーヴが会場を包んでいると思いきや、いつの間にかフロアはアシッド・ビートの暗黒の電子音が支配する空間へと豹変していたり、また後半のプレイでは、ディスコ/ハウスのグルーヴのなかに突如としてへヴィーなダブ・トラックをフロアへと投下するなど、数分前の景色を気付かないうちに一遍させるトリッキーな選曲。そしてそれを自然な流れへと昇華させるミックス・テクニックはすさまじいものがあった。
そして、ここ日本でもそのDJプレイに大きな人気を集めるセオ・パリッシュ。あの独特の重いビートとベースラインのグルーヴ、そしてハイハットのコントロールが空中を切り裂く。ソウルフルなビートダウン・ハウス、ダーティなシカゴ・ハウス、一服の清涼剤のようなクールなヴォーカル・ディープ・ハウスや会場のテンションをさらに上げるディスコとさすがのプレイで観客たちをコントロールしていた。
同じようなディスコやハウスをプレイしていても、ソウルやディスコ、ゴスペル、ディープ・ハウスといったブラック・ミュージックを歴史的になぞるようにミックス・アップしていくセオ・パリッシュと、ユーモアとエロス、サイケデリックな感覚が混ざり合う、ある意味でPファンクのような強烈なる混沌をミックスで表現するモーリスといった感覚と、双方でまったく違う印象、感想をフロアでは受けた。どちらにしてもハウス/DJカルチャーという、歴史もジャンルもミックスすることができる自由なる地平を経由して生まれたブラック・ミュージックのひとつの進化系と言えるだろう。
そしてパーティの最後はセオ・パリッシュ、モーリス・フルトンふたりによるバック2バックで幕を閉じた。そのふたりの姿は、音楽への愛と、双方のDJとフロアに対するリスペクトが溢れ出たもので、終始にこやかに、まるで旧友と戯れ合うようにプレイしていた。その笑顔と音楽をプレイするよろこびは、もちろんフロアのひとたちにも伝染していく、すばらしいパーティに相応しい最後となった。
(河村祐介)
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