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帰ってきたぞー! ハミ出しまくりの蒸しムシ・オン・ステージ!

 今年3月にシンセサイザーのカヨが卒業し、3人となったポリシックス。活動再開を迎え、3人での初のツアー〈We are Back!! POLYSICS!!!〉で全国をまわってラストの東京、恵比寿公演!

 開場一時間以上前にもかかわらず、リキッドルームに入るとすでにTシャツやポリシックスのイメージ・コステュームである“つなぎ”姿になったお客さんがちらほら。みんなこの日を待ちわびて、うずうずしているのがわかる。まもなく開演の19:30をすぎ、ぱんぱんに詰まった会場が暗転すると、フロアからの溢れんばかりの大歓声で迎えられたフミ(Ba)、ヤノ(Dr)、そしてハヤシ(Vo/Gt/Syn/Pro)がバイザーに黒のつなぎ姿で登場。

「トイス!トイス!トイストイスー!!」と独自の挨拶である“トイス”を連呼するハヤシ。もちろん毎度ハイ・テンションなのだが、今回は心なしかいつも以上にみえる。お馴染みの“BUGGIE TECHINICA”“シーラカンス イズ アンドロイド”とかますと早速新曲! “Mach 肝心”。ポリらしいといえばポリらしいが、ドラムとベースのヘヴィなサウンドと打ち込み音が新鮮に感じ、一方で年明けの大衆娯楽番組で感じるようなポップさが光り心を掴む。以降も自身の持つたくさんの楽曲から幅広く披露しつつ新曲を織り交ぜ展開していく。独自の振り付けで踊る会場を見ていたら、めちゃくちゃ楽しいサウンドを聴いているのに、震えてしまった。こんなに端から端まで、みんなが息ぴったりに振りを踊っているロックバンドのライヴなんて、他にないぞ。

 ポリシックスの曲の特徴である、電子サウンドを奏でていたカヨが抜けたことで、行く末を心配していた人は多いであろう。わたしも正直、期待半分な気持ちだったかもしれない。けれどステージに上がった3人を目の当たりにしたとき、一発目の音からもう、その一体感に衝撃をくらった。電子サウンドはほぼ打ち込みだったが、打ち込みの作りこまれたようなぺらぺら感を感じさせないくらい、3人の音が膿圧に重たく生きている。そして3人とも結構な激しいプレイをしているのだが、ズレを少しも感じさせないくらい、1音1音ががっしりと繋がって曲を作り上げている。ポリシックスってこんなにすごかったっけ。なんだか進化している気がした。ポップでぶっとんでて楽しい!!だけじゃない。

 “Mach 肝心”でパントマイムしてみせたり、“How are you?”で歯ギターを披露したり、“人生の灰”曲中で客からタオルを何枚も奪って胸に詰め込みワシャワシャ揉んだり……。いつだってハイ・テンションでユニークな、バラエティに富んだステージングで楽しませてくれるハヤシ。そんなハヤシが何度も「楽しいなあ」と沁みるようにこぼしていたのが印象的であった。26曲もやったなんて信じられないほどあっという間に終わったライヴ。キッズから少々世代が上の方々まで、みんなず~っと無邪気な笑顔で汗をかきながら踊っていた。(知念正枝)

<セット・リスト>

1.BUGGIE TECHINICA
2.シーラカンス イズ アンドロイド
3.Mach 肝心(新曲)
4.Tei!Tei!Tei!
5.How are you?(新曲)
6.FOR YOUNG ELECTRIC POP
7.Boil(新曲)
8.Time Out
9.Hot Stuff
10.人生の灰
11.Rock Wave Don’t Stop(新曲)
12.Too Much Tokyo
13.Don’t Cry(新曲)
14.First Aid
15.United
16.Beat Flash
17.Digital Coffee
18.Young OH!OH!
19.ワチュワナドゥー
20.カジャカジャグー
21.URGE ON!!
22.Shout Aloud!

EN1.踊れHeaven(新曲)
EN2.GET BACK TO 8-BIT
EN3.Pretty Good
EN4.Speed Up

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