miwa
初々しく温かなワンマン最終
初めてのワンマン・ツアーは東名阪の3か所。ツアー・グッズにも大阪、名古屋、東京の形を取り入れるほど気合の入った、全力で臨んだツアーの最終公演。エレキ・ギター、ベース、ドラム、パーカッションにキーボードの5人編成バンドを従えて登場したmiwaは会場の声援に、ツアー名をモジりながらの自己紹介、「miwaだよー!」と大きな声で応えた。「ステージが結構高いのに、私が小さいからうしろの人見えにくいかな?」と自ら言うように、miwaは小柄な女の子である。しかしアコースティック・ギターを抱え、懸命に弾きながら歌う姿は爽やかなのにエネルギッシュ! ステージの真んなかに立ち、アコースティック・ギターを抱えると何倍にもその存在感を膨らませていた。バンドの、ときに激しく、ときに繊細な演奏を味方につけ、その伸びやかな声とアコースティック・ギターをさまざまな表情で会場中に響かせていた。
緊張をまったく感じさせない、自分の言葉で語りかけてくれる奔放なMCもチャーミングだった。客席からの呼び掛けに応えてみたりと、彼女が口を開く度に笑顔と拍手が巻き起こる。そんなMCには、来てくれたみんなに楽しんでもらえるように、との思いが溢れていた。それを音楽で示すかのように、映画『カラフル』のイメージ・ソングとなり多くの人の耳に届いているであろう“青空”、“僕が僕であるために”を、また“みんなと出会うきっかけになった曲だから”とデビュー・ソング“don’t cry anymore”を全身で歌いあげ、会場をおおいに惹き込んだ。デビュー・ソングであるこの曲は、ライヴの最後にも「やっぱり、大事な曲だから」と演奏。「一緒に歌って!」と、ライヴを成功させるための大事なメンバー、と称したお客さんたちと一緒に歌いあげた。
アンコールでは、デビュー前のエピソードを披露。自分ひとりで作ったデモはあるものの、どのようにしてライヴをすればいいか解らず単身ライヴ・ハウスに乗り込んでいった、そのときはギター1本で弾き語りをしていた、と。アンコール1曲目は、その頃と同じように弾き語りでシンディ・ローパーのカヴァー“True Colors”を披露。シンガー・ソング・ライターであることが彼女の武器であり魅力でもあるが、名曲のカヴァーによってその歌声と、演奏の魅力が際立っていた。華やかなバンドの中でギターをかき鳴らしながら歌う姿も潔く、とても素敵なのだが、爪弾くギターの音色とヴォーカルのみ、という質素な編成のなかであってもmiwaの持つ表情豊かな演奏が美しく響いていた。それまで大歓声で沸いていた会場も静まり返り、ただただその歌声に惹き込まれていた。
初のツアーでこんなにも会場を沸かせたmiwa。彼女がどのような変化を遂げ、どのような歌声で我々を魅了してくれるのか、今後もとても楽しみである。(渡邉祐子)
1. リトルガール
2. you can do it!
3. あなたがいないと世界はこんなにつまらない
4. めぐろ川
5. ウソつき
6. don’t cry anymore
7. あまやどり
8. 青空(THE BLUE HEARTSのカヴァー)
9. 僕が僕であるために(尾崎豊のカヴァー)
10. 441
11. Wake Up,Break Out!
12. chAngE
13. オトシモノ
En.
1. True Colors
2. そばにいたいから
En.2
1. don’t cry anymore