FEATURE

ヴィジュアル系？と遠ざけることなかれ！　ファンキーでロックな雅-MIYAVI-

　このレポートを読んでいる雅-MIYAVI-ファン（仔雅：自身のファンのことを「Co-MIYAVI＝仔雅（こみやび）」と呼ぶ）もそうでない人も、ぜひ最後まで読んでください。
　僕は雅-MIYAVI-を勝手にヴィジュアル系というジャンルに当てはめ、いままであまり聴こうとしなかった。だからはじめはあまりこのレポートを書くことに気が進まなかった。しかし事前にCDを聴いて驚愕してしまった……めちゃくちゃファンキーでめちゃくちゃカッコイイじゃん！　すぐにYouTubeを開き、“SURVIVE”の動画を観た。ギター１本とドラムだけでライヴをしている。こんなアーティスト見たことない！　アコギであれだけスラップ奏法とエフェクターを使いこなし、弾きまくっているアーティストは他にいるのか！　もうライヴが楽しみで、早く当日になって雅-MIYAVI-を生で見たいと思っていた。

　そして当日。ステージには本当にドラムとギターだけだ。そしていきなりアルバム・タイトル曲の“WHAT’S MY NAME？”を演奏。仔雅もいきなり最高潮に盛り上がる。雅-MIYAVI-が「WHAT’S MY NAME？」と歌うと仔雅は「雅！」と掛け合う。もう会場がひとつになっている。そして“SURVIVE”になる。YouTubeでも思ったが、ふたりのグルーヴが良すぎてふたりだけの演奏とは思えない。本当に本当にかっこいいのだ！　そしてドラムのBOBOのグルーヴは気持ちいい！　タムがないドラムでスネア・バスドラ・ハイハットとそして金モノが少しだけの超シンプル・セット！　このシンプル・セットで何故あんなカッコイイドラムが叩けるのだ。BOBOの楽器はこれだけではない。”Chillin’ Chillin’ Money Blue$”演奏中、CDではお金のジャリジャリした音が終始鳴っているのだが、ライヴでもBOBOがお金が入った袋でその音を鳴らしながらドラムを叩いていた。多才です。そしてこの曲歌詞がすごくいいのだ。心に沁みるのだ。まだ知らない人は必ずチェックしてほしい。　

　ライブ中盤、新曲も披露してくれた。雅-MIYAVI-らしいギターリフのかっこいいグルーヴィーな新曲だ。あえてこの曲はあまりレポートしないようにしよう。会場にいた人しか知らないように。ぜひライヴに来て生で感じて欲しいのだ。

　そしてアコースティックで”君に願いを”の弾き語りがはじまる。ひとりの雅-MIYAVI-もまたよかった。アコギをとても器用に演奏する。スラップやアコギを叩き、リズムが生まれ、目を閉じると本当にひとりか？　と思うような演奏だ。

　そしてメンバー紹介。「ふたりしかいねーけど」と言い、BOBOのドラム・ソロがはじまる。短パンでマッチョという見た目で、超絶ソロを披露したあと、スティックを刀のように持ち、シンバルを両断！　両断！　両断！　会場が笑いに満ちあふれました。
　そして最後の流れには言葉が出なかった。“TORTURE”は言うまでもなく名曲。“S.M.F.B.””R U READY ２ ROCK?”は仔雅がめちゃくちゃ盛り上がる。頭をめちゃくちゃに振り、もみくちゃに動き回る。会場の温度がマジで上がりました。あちーよ。それに応えるように雅-MIYAVI-がスピーカーの上にあがり、マイクを蹴り散らし圧巻のギターソロ。直後反対側に走り、ステージを降りお客さんと同じ目線でマイクなしで歌う。目の前の仔雅がうらやましい。ステージにあがると、またマイクを投げ飛ばし水を仔雅に巻き散らす。圧巻！　かっけーな。本編ラストの曲“FUTURISTIC LOVE”がはじまる。途中「ひとつになれるよな！」と言っていたが、会場は本当にひとつになっていた。「素敵な夜を」と言って投げキッスをして去っていった。これで落ちた女子は数知れず。雅-MIYAVI-コールがおさまらない。

　アンコールは“SURVIVE”。本日２回目。アルバムのメインと言っていい曲。２回もやってくれてうれしかった。最後に、「何年何十年かかっても世界を取るから」と言い、雅-MIYAVI-は去っていった。

　圧巻のライヴでした。雅-MIYAVI-に出会ってよかった。彼は特定のジャンルに押し込められて欲しくない。あんなファンキーでロックでかっこ良くて、雅-MIYAVI-は“雅-MIYAVI-”というジャンルを作り出したのだと思う。２月から世界ツアーが始まる。そして３月９日にはまたリキッドでやってくれるのだ。MCでも言っていたように『世界』を取って欲しい。日本には雅-MIYAVI-ってヤバいやつがいるって世界を驚愕させてほしい。最後にもう一度、雅-MIYAVI-という音楽に出会えてよかった。（安藤洸希）