勢いに乗るSISTER JETのセカンド・アルバム
きらきらのポップネスをロックに奏でるSISTER JETの2枚目のフル・アルバム。前フル・アルバム後に出された限定2枚を含むシングル3枚の表題曲も収録と、キラーチューン満載。“SAY YES”のシューゲイズなイントロ、“アディオス・アミーゴ”の跳ねたリフで新鮮さを楽しみつつも、「8ビートはパンク少年のもの」の嬉しくなるようなドストレートなロックンロールに胸キュン。サウンドのみならず作詞の視点も幅広い。書き手のパーソナリティを感じさせるほどに惹き込む“Mr.LONERY”のような曲もあれば、彼と彼女を描いた“キャラメルフレーバー”、「彼女」の生き様を歌う“マギーメイブルース”、日々のぼやきを爆発させた“わらえないぜ”など。物語を思い浮かべてよし、移入して口ずさむもよし。口をついて出るパンチラインに身を任せてよし。キラキラとした輝かしさを纏う音ゆえに、拡散するような音の余韻・広がりが新作以前では印象的だった。しかし今回は広がりではなく芯の太さ、サウンドのキモの密度の濃さを感じる。サウンドも言葉もより一層、芯がくっきりストレートに締まっている。ストレートさに存在感の潔さを感じる佇まい。