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真昼のストレンジランド

『真昼のストレンジランド』

GRAPEVINE

[label: PONY CANYON/2011]

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ライヴへと連なる魅力を持った作品

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文:渡邉祐子

約1年半ぶりのオリジナル・アルバムのリリース。メジャー・デビューから10年を経て初めて作曲法にセッションを取り入れた『From a smalltown』より滲みはじめていた世界観が『Sing』『Twangs』を経て、今作であまりに見事に結実している。長くプロデュースを担当する長田進(Dr.StrangeLove)との共作を去年纏めあげたことや、田中と高野の弾き語り活動などがバンドを育んだのであろう。長田とやりあうことで深化したバンドの筋力。バンドを負わずとも声と言葉のみでより多くを感じさせる強さを持ったヴォーカル。もとより魅力のひとつだった言葉も過去には見ることのできない素直さで綴られており、目を惹く変化が少なくない。それらの相乗効果による演奏の深み、作詞の世界が描きだす壮大なサウンドスケープはまるで映画のように、それが有する非日常性と世界観に心行くまで没頭できる濃密さ。丁寧なアレンジを重ねられている曲はステージではどのような形になるのか。また言葉にとらわれないサウンドの余白がライヴの中でどのように変化し深化し形を変えていくのか。サウンドの余白が残っているからこそ、ライヴでの披露が楽しみである。

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