[Champagne]
特別感満載、大満足のツアーファイナル
シャンペインというバンドは実に器用なバンドだ、と思う。真っ赤に染めていたと思ったら、次には薄く蒼く色づき、かと思えばポップなイエロー、爽やかなグリーン……といった具合に、1曲1曲、バンドの色が変化していく。例えて言うならそんなイメージ。曲によっては、聴いているだけなら別のバンドなのではないかと思ってしまうほど雰囲気がまるで違う曲も、当たり前の顔をしてやってのける。「シャンペインて、○○っぽいバンドだ」と一概に言い表せない、つかみどころのない、たくさんのいろで表情で魅せるとっても器用なバンドだ。そう感じた。
[Champagne] tour 2011 <I Wanna Go To Hawaii. ~いや、総長マジで~>。シャンペインらしい、なんだかよくわからないタイトルが可笑しい今回のツアー、全国20カ所を揺らしてまわり、ラストの東京・恵比寿リキッドルームも老若男女交えて超満員で迎えられた。
自身の持ち曲である“Burger Queen”がSEとして流され、メンバーがステージへ姿を現す。録音された音楽が生音に変わると、すぐさま会場はものすごい熱気に包み込まれる。女子が多いように見えた客足だったが、聞こえてくる「ウォー!!!」といった雄叫びにも似た声援に迫力が重なる。そのまま勢いに乗って、2曲目の冒頭ですでにダイバーがちらほら。端から端までぎゅうぎゅうに詰まったオーディエンスはまるで暴れ馬のように押し合いへし合い、フロアの温度は上昇をやめない。
「クーラーぶっ壊れそうだね。壊して帰ろうぜ!」と川上(Vo./Gu.)の煽りも乗っかり溢れる熱量で一気に駆け抜けた前半戦。ところがそれまでが嘘のように、中盤に歌われた“風邪をひいた時の歌”“Underconstruction”では繊細で儚いセンチメンタルさを露にさせた。後半に差し掛かれば、“city”“Cat 2”“Rocknrolla!”“Don’t Fuck With Yoohei Kawakami”と勢いのあるキャッチーなキラーチューンを畳み掛け、それに答えたオーディエンスによって、川上曰くリキッドルームは“天井がぶっ飛びそうなほど”揺れを起こした。それからの、爽快な合唱ナンバー“You’re So Sweet & I Love You”で美しのラストを飾った。
アンコールには新曲“言え”の披露、ダブル・アンコールでは「気分良いんで特別なことします」と“Cat 2”をプロモーション・ビデオ撮り2テイク!更にザ・フーの“My Generation”をカヴァー、まさかのトリプル・アンコールで再々登場からのプライマル・スクリームの“Accelerator”をカヴァーするなど、スペシャル感満載の一夜だった。
再登場の際に川上が言った、「世界でいちばん幸せな夜にしましょう」。その言葉通り、そこにいた全員が大満足すぎる夜だったに違いない。(知念正枝)
<セットリスト>
1.?
2.My Blueberry Morning
3.Revolution, My Friend
4.Yeah Yeah Yeah
5.I Don’tKnow(Who You Are )
6.She’s Very
7.Tic Tac Toe → Club Foot
8.風邪をひいた時の歌
9.Underconstruction
10.Tokyo2pm36floor
11.city
12.Cat 2
13.Rocknrolla!
14.Don’t Fuck With Yoohei Kawakami
15.サテライト
16.You’re So Sweet & I Love You
En 1
17.言え
18.For Freedom
En 2
19.Cat 2
20.My Generation(The Who カヴァー)