奥深くなったミステリー・ジェッツをお楽しみあれ
ネットなんだし、たまには早い情報も。
ミステリー・ジェッツの4枚目、すごくいいです。大人になったというか、味が出たアルバムなんじゃないでしょうか。
1曲目“Radlands”のギター・アルペジオからぐっときます。こういうシックスティーズなギターに僕は弱いんで、“騙されたらあかんぞ”と身を引き締め、2曲目“Had Me At Hello”を待つと、これまた僕の弱いシックスティーズなセミアコ・ベースのフレーズが。やられました。そして、次も……この先は自分で聴いてください。
ミステリー・ジェッツと言えば、80年代をうまく取り入れていたバンド、そして、凄く歌詞も曲もよくできたバンド、そこに60年代のスピリッツも宿ったという感じでしょうか。さすが、イギリスのロックの聖地イール・パイ・アイランドのバンドです。
でも、今作はアメリカのオースティンにギターだけ持っていて作られたそうです。「昼はポーチで歌詞を書いて、夜になってからプレイしはじめると、シカが裏庭に演奏を聴きに集まってくるんだ。たまには街へ飲みに行って、そこで知り合った人たちをレコーディングに招待したんだ」って、いいですね。
器材もスタジオのおじさんがいいヴィンテージ器材を貸してくれたので、それが音に表れているかもとのことです。
ストーンズがグラム・パーソンズなんかのアメリカのミュージシャンと出会い音に厚みが出たみたいな事が、ミステリー・ジェットにも起こったのでしょうね。
『Radlans』とはテレンス・マリックの名作映画『Badlans(地獄の逃避行)』とキース・リチャーズの有名な家“Redlands”を掛け合わせて作られた言葉だそうです。
奥深くなったミステリー・ジェッツをお楽しみあれ。