マドンナにはまた驚かしてもらいたいのだけど……
文：久保憲司
『コンフェションズ・オン・ア・ダンス・フロアー』はまだやるかと感心も出来た。でも、前作『ハード・キャンディ』と今作は、もうちょっと無理があるかなと思ってしまう。
プロダクションは悪くない、安室ちゃんがこんなのをバックに歌ってくれたら、ドキドキするけど、でも、もう50のオバハンに歌われてもな。マドンナの声も体もぜんぜん悪くないんだけど、でも、50という情報は消え去らない。
ここまでダンス・シーンに固執する必要があるのかと思ってしまう。元ダンサーの彼女にとって踊ることがどれだけ大事なことなのかはよくわかる。でも、天才的表現者マドンナとして考えるなら、冒険すべきなのじゃないのかと思ってしまう。『レイ・オブ・ナイト』でのウィリアム・オービットの起用は本当に素晴らしかったと思う。そういうことがいまのマドンナには必要なんだと思う。ボン・イヴェールとやるのがいいのか、カニエとやるのがいいのか、僕にはわからないけど、でも、僕はそろそろまた、マドンナに驚かしてもらいたい。
