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I AM COLD

『I AM COLD』

Rip RIG + PANIC

[label: VIRGIN/1982]

フリー・ジャズへと進んだポップ・グループ残党組

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文:久保憲司

 ザ・ポップ・グループのロマンチシズムを受け継いだのが、リップ・リッグ・アンド・パニックです。ローランド・カークのアルバムからバンド名をつけたという所からして、かっこいいじゃないですか。しかも、2枚目『I Am Cold』のジャケットはアルチュール・ランボーです。
 1枚目と2枚目は12インチ・シングルの2枚組だったんです。僕は新しいジャズはこうならないといけないんじゃないかと当時思っていました。音質がよかったかどうか、覚えてないですけど。かっこよかったです。
 しかし、リチャード・ブランソンはこんな人たちによくお金を投資しましたね。偉いです。
 マーク・スプリンガーのクールなピアノと元ジ・ポップ・グループのガレス・セイガーのフリーキーなギターがかっこよかった。
 かっこいいばっかり行ってすいませんが、ベースのシーン・オリヴァーもかっこよかったです。ジャン・ミッシェル・バスキアの木靴やあのスーツの感じとか、シーン・オリヴァーのパクりです。
 ネネ・チェリーは可愛かったし。けっこう大好きなバンドでした。
 僕、ガレス・セイガーの山師みたいなところも好きなんです。ガレスがあとに作ったヘッドというロックンロール・バンドがかっこよかったんです。みんな可愛い男の子ばかりで、センスいいバンドでした。ゲイ・マーケットを意識してたのかな、ライヴはカウボーイの乗馬ズボン、チェップスを履いて演奏してました。ガレスだけオッサンでむちゃくちゃ浮いてましたが。もちろん、ガレスはチャップスつけてませんでした。メンバーの何人かが最後のザ・クラッシュのメンバーになったんですよ。
 話が変な方向に行ってしまいました。リップ・リッグ・アンド・パニックは名曲“You’re My Kind Of Climate”が入っている『I Am Cold』が買いですかね。

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