FEATURE

老舗ロック雑誌『CROSSBEAT』によるダブステップやビート・ミュージック——フライング・ロータス周辺やポスト・ダブステップあたりとも結びついたヒップホップ／ブレイクビーツ系のサウンド、さらにはここ数年でSNSやフリーDLのミックス・テープ文化と結びついて盛り上がりつつあるインディ系のサウンド（グローファイ／チルウェイヴやOFWGKTAなどのヒップホップ）を紹介したディスク・ガイド本。老舗のロック雑誌らしく、ロック方面からの視座が強く、やはりトムやレディオヘッドによるリミキサーとしてのその手のアーティストのフックアップ、またはジェームス・ブレイクやブリアル、フライング・ロータスあたりのブレイクからはじまり、時間軸の上下、またはその周辺、左右の音へと広がっている印象。ダブステップとビート・ミュージックのアルバム・ガイドが主たる内容だが、上記のように、それらの音楽に限らず、ロック、ダンスという簡単なジャンル分けではなかなかその網の目にひかっけることのできないインディ・ミュージックをおいしいところ取りと印象もある。個人的にはダブステップを取り上げるのであれば、もう少しUKガラージやグライム、ドラムンベース、ジャングルにもルーツ・オブ・ダブステップとしてページが割いてあれば非常に良かった様な。まぁ、そのあたりはキリがないのでアレですが。とはいえ、日本盤もあまりリリースされず、日本語のものでここまでまとまったモノが無かったことを考えれば、大ブレイクを果たしたアーティストなどに続いて、その次を探したい人はぜひともその指標に！