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なぜ出会ってしまったのだろう?ルーツはここにあり!?
ヤツらとの出会いによって人生狂い咲き!?そんな“ニクイ”10枚をご紹介!

U-zhaan

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 なぜ出会ってしまったのだろう? ヤツらとの出会いによって人生狂い咲き!?
そんな“ニクイ”やつらをご紹介。今回は7月30日(月)にリキッドルームにて〈100%ユザーン vol.3〉を行うタブラ・プレイヤーのユザーン。今回の〈100%ユザーン vol.3〉では、yanokami、小山田圭吾、mabanuaが出演。これまでタブラ・プレイヤーとして、さまざまなアーティストたちのライヴや作品に参加し続け、そんな彼の音楽を介した幅広い交友関係が垣間みれる豪華なメンツが集結していると言えるだろう。さらにここに、現段階ではシークレットのおどろきのアクトまで……。そして音楽以外でもインド滞在時のツイッターでの発言が話題になり、その現地の人々とのやりとりなどのツイートをまとめた著作『ムンバイなう。』が出たりと、なにかと話題の人物であります。
 さて、そんな彼を作った10枚とは? そんな“ニクイ”人生を狂わせたやつらをご紹介。
(もちろん、上記写真左端がU-zhaanであります)



ユザーンうちの父親が新しいもの好きで、CDプレイヤーとかもかなり早く家庭に導入されてたんですよね。僕が最初にCDに触れたのは小学校低学年だったから、’83、’84年くらいかな? まだ、レコード屋に行ってもアナログのほうが断然多い頃でしたよ。で、親父のいない日中に彼のコレクションをこっそりいろいろ聴いてたんですけど、その中でいちばんびっくりするぐらいの衝撃があったものがこれですね。帯には”サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド”ってカタカナで書かれていたので、そういう名前のバンドなんだって思ってました。「すごいバンドを発見したぞ」って興奮しながら父親に伝えたら、「ばか、お前これはビートルズだ」って言われて。そのあと、両親に頼んでビートルズのファン・クラブに入れてもらったりしましたね。「ビートルズ・シネ・クラブ」っていうんですけど。毎月1冊、小冊子みたいのが送られてきてたので、よくそれを読みふけってました。ビートルズ、好きだったな。
── 単純に音として楽しいっていうのはありますよね。特にこのアルバムとかは。
ユザーン変わった音がいっぱい入ってますしね。このアルバムに“Within You Without You”っていう、シタールとタブラとタンプーラがやたらと”ビャーン”って鳴ってる、ものすごく変わった曲が入ってるんですけど、小学生の僕には全く理解できなくて。当時はその曲だけ飛ばして聴いてました。
── 後にその楽器を自分で演奏することになるとは知りもせず(笑)。
ユザーンなんだか怖かったんですよね、呪術的な感じもするし。今聴いてみるとすごくポップに民族楽器を使ってて、おもしろい曲なんですけど。

── 次はマイルス。これは何歳ぐらい?
ユザーン中学生のときに買いました。吹奏楽部に入って”ユーフォニウム”っていう金管楽器を吹いていたんですけど、「金管楽器って、他にはどんな音楽に合うんだろう」と思いながらまた父親のCDコレクションを漁っていたら、ルイ・アームストロングに出会って。「あ、ジャズってすごくかっこいいな!」と感じました。ちょうどそのころ、家にあった通販雑誌みたいなのでジャズのCDが毎月1枚送られてくるコースみたいなのを見つけまして。父親に頼んで、それの会員にさせてもらいました。「小遣いとかいらないから、これに契約させてくれ!」みたいな。まあ結局、お小遣いももらったんですけど(笑)。
── 年間契約のカタログものってありますよね。文学全集みたいな感じで。
ユザーンはい。それは結構充実したラインナップでよかったですよ。で、そこから送られてきたなかで圧倒的にかっこいいと思ったのがマイルス・デイヴィスだったんです。収録曲の中でいちばんかっこよかったのが、“Round Midnight”っていうセロニアス・モンクの曲で、それが入ってるオリジナルアルバムを買いなおしたのがこれです。
── これは50年代のハード・バップ期の作品ですけど、逆に70年代のエレクトロニック・マイルスとかは。
ユザーンそっちまできちんと聴くようになったのは、かなり後だな。20代になってからかもしれない。
── いろいろ聴いてから。
ユザーンそうですね。一応『ビッチェズ・ブリュー』とかも持っていましたが、そんなに聴きこんではいなかった。
── そもそも吹奏楽部に入った理由はなんだったんですか?
ユザーンなんだろう……やっぱり音楽が好きだったんですかね。僕の中学には器楽部っていうのもあって、ドラムやギターとかもあったので最初はそっちに入りたかったんですよ。でも、女の子の部員しかいなかったんで「男ひとりでその中にいるのも気まずいな」と思い、それで吹奏楽部を選んだ気がします。
── このアルバムを聴いていたのが13歳くらい。
ユザーン13〜14歳くらいですね。
── この頃、その他で聴いてたものってなんです?
ユザーンマイルスに限らず、お金が続く限りにモダン・ジャズの名盤的なCDを買いまくっていた時期なんですよ。『ジャズ・ライフ』とか『スウィング・ジャーナル』とか、ジャズ系の雑誌まで買って研究して。
── 中2で!
ユザーンだから、友達と音楽の話をすることがほとんどなかった時期ですね。「変わったやつだな」ってあんまり思われたくない頃じゃないですか、思春期って。
── 密かな自分の楽しみっていう。
ユザーンうん。

ユザーンもう1枚ジャズです。ギタリストのジョー・パスが、ギブソンのES-175っていうギターをソロで弾いているだけのもので。一応フルアコのエレクトリックギターなんですけど、ほとんどの曲をアンプにつながずに生音で演奏してます。これ、本当にかっこいいんですよ。ギターを買って、頑張ってコピーしたりしてました。「あ、これなら一人で演奏ができるかも」って思いましたね。本当はジャズ・コンボとかもやってみたかったですけど、高校の同級生で、一緒にジャズを演奏してくれそうな人はなかなか発見できなくて。
── そりゃそうですよね。
ユザーンこのシリーズ、4枚出てるんですけどどれもいいですよ。どうやったらこんなふうに演奏できるんだろう、と思って彼の生涯とかまで調べたりしてました。「ひどい麻薬中毒になったのち、ようやく更生施設から出てきた彼は素晴らしい演奏家に成長していた」とかいう記述を見て「それはちょっと嫌だな」と思ったり(笑)。
── 中高のときはずっとジャズを聴いてたという感じなんですか?
ユザーンジャズからの流れでUS3とか聴いたりしてましたけど、でも基本的にはこの『Virtuoso』をきっかけに、静かな音楽、それこそビートとか無いような音楽を好んで聴いていた時期で。セロニアス・モンクの『Solo Monk』とかね。
── それは自分がひとりでも音楽の表現をやれるかもしれないっていう希望も含めて。
ユザーンそうなのかな。いや、でもギターはまったくうまくなりませんでしたね。楽器には、絶対に向き不向きがあります(笑)。

── やっとタブラが出てきましたね。
ユザーン大学1年の夏休みに、川越の丸広百貨店っていうデパートの催事場でたまたまタブラを売ってるのを見つけたんですよね。なぜかなんとなく「買おうかな」と思ってしまって。見た目もかわいいし、とりあえずインテリアとして置いておこうかと(笑)。なんで買っちゃったんでしょうね。2万9800円だったのを2万5000円に値引きしてもらって「いい買い物したぞ」と思いながら帰って、部屋に置いてみたら「オレ、これどうするんだ?」って思いました。
── 「そういえば太鼓の一種らしいがよく知らない」ぐらいで(笑)。
ユザーンせっかくだから、この楽器はどんな音がするのか聴いてみよう、と思って、また丸広のCD屋に行って、民族音楽コーナーに一枚だけあった“タブラ・ソロ”って書いてあるCDを買ってきたのがこれです。初めて聴いたときは、もちろん「なんだこれ、すげえかっこいい!」と衝撃を受けたんですけど、「でも、これはソロじゃないよな。表記間違えてるな」と思いました。このたった2つの楽器から、こんなにいろんな音がするわけはない、と。その少し後に、実際にタブラを叩いている映像を見る機会があって「あ、マジで一人でやってる!」とビックリしました。これはまあ、僕がタブラを演奏するきっかけになったアルバムですね。まさかこのCDの人に直接習いに行くことになるとは思ってもいなかったですけど(笑)。
── この〈キング・レコード〉のシリーズは、割とワールド・ミュージックの定番っていうか、名作ぞろいのシリーズですよね。
ユザーンうん。内容も音質も。
── これを聴いたのは20歳ぐらい?
ユザーン18歳のときです。この後2〜3年は、もうほとんどタブラのことしか考えてなかったですね。
── なんでそこまでのめり込んでしまったんですかね。
ユザーン友だちがいなかったんだと思います。
── ダハハ。まあ、それだけ自分に合ってたという。
ユザーンどうなんでしょうね。まあ、練習していて「楽しくないな」と思ったことは一度もないですけど。
── ここからタブラ生活がはじまるわけですね。
ユザーンそういうことになりますね。

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