キッチンで出会った、ちょっと不思議な女の子。 みそしるちゃんとの出会いから数年、彼女はCDをリリースし、フジロックにも出演するアーティストになっていた。
彼女との最初の出会いは、私の前職場にあったレストランのお手伝いで月に数回来てくれていた事から始まる。彼女は非常に真面目で、お手伝いだというのに、キッチンで黙々と作業をこなし、面倒な作業も嫌な顔ひとつせず、引き受ける。第一印象は、ド真面目、かわいい、お洒落。人見知りの少女のように、挨拶の際は恥ずかしそうにはにかんでいる。(今現在も)そんな印象の彼女に対して、音楽活動(さらに言うならば、HIP HOP!!!)をするなど知る由もなかった。
とある日、キッチンのシェフから、みそちゃんの手作りPVをYouTubeで見せてもらった。爆笑だった。でも、お笑いで済まないリリックとセンスがちりばめられていることに気付き、数日後、こっそりYouTubeを見直した。DJみそしるとMCごはんのキラーチューン”ピーマンの肉詰め”は、手作りのイラストやアイディアが溢れ出ており、まさにDIY映像。手作業という、映像制作の斬新さと彼女の内向的な第一印象とはかけ離れる音楽に衝撃を受けたのは、この曲からだった。
彼女との出会いから数年後、とあるMTG中、「面白いものは無いのか」と尋ねられ、”ピーマンの肉詰め”のYouTubeを見せる。その会話がきっかけとなり、数ヶ月後には、OTOTOYでの配信デビュー、KATA[LIQUIDROOM 2F]での初ライブ、日本最大級のアートブックフェア「THE TOKYO ART BOOK FAIR 2012」でのパフォーマンス、アパレルブランドのシアタープロダクツとのコラボレーション、渋谷のど真ん中パルコのお祭りシブカル祭。など、センスある出会いが続き大ブレイク。今年は、CD音源リリースでメジャーデビュー、フジロック2013へ出演。自分が面白いと言っただけで、フジロックまでに行ける子が現れるなんて、凄いことだ。普通じゃない。今では、人の人生変えちゃったのではないかと心配をすることも少なくなったが、たまに彼女のことを考えると、ドキドキする。でも、いつも最後に思うのは、彼女しか表現出来ないラップ、世界観は、現代にしっくりハマったということだ。彼女の真面目さの勝利である。
「おいしいものは人類の奇跡だ!」をモットーに、 トラック、リリック、アートワーク、Music Videoなどすべてを自ら制作し、料理と音楽の新たな楽しみ方を提案する、超自家製ラッパー、DJみそしるとMCごはんが『Mother’s Food』で全国デビューということで、皆様、大注目であります。