ようこそ!MGMTの世界へ
2010年に発表したセカンド・アルバム『Congratulations』が全米2位、全英4位を記録したポップ・デュオMGMTのサード・アルバム。プロデューサーにはデイヴ・フリッドマン。フル・バンド・サウンドを目指した前作のレコーディングに変わり、今作ではアンドリューとベンの2人でインプロヴィゼーションを多用しながらレコーディングを行ったという。また、レコーディング中によく聞いた音楽としてジ・オーブ、オウテカ、アンダーグラウンド・レジスタンスを挙げているところも面白い。他人にどう思われるとか気にせず、思いつくままに楽な気持ちで作ったという音楽はよりサイケデリックな仕上がりに。そのサイケ感をギリギリのところでポップスに仕上げるバランス感こそMGMTの真骨頂だ。想像できるのは、このサイケでドラッギーなサウンドを受け入れるアメリカの豊かな音楽的土壌。おそらくは長いツアーの中で変化し、新しい解釈を生み続けるであろう楽曲の数々。その可能性は“A Good Sadness”のμ-Ziqリミックスを聴くとすんなりと理解できる。そういった意味では来年1月に決まっている来日公演は見逃せない。