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浜野謙太(在日ファンク) x 田我流

浜野謙太(在日ファンク) x 田我流

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「ファンク VS ヒップホップ」!ド級のライヴを目撃せよ!

昨年のLIQUIDROOM 9周年企画では、フラワーカンパニーズとの異色にして通底する部分の強い対バンを展開した田我流。今年の10周年企画では、「LIQUIDROOM 10th ANNIVERSARY 在日ファンク x 田我流」と題して、在日ファンクとの対バン・イヴェントを8月8日(金曜日)に決行する事となった。ファンクとヒップホップという違いはあれど、お互いにブラック・ミュージックに薫陶を受けながら、それをいかにオリジナルな形で、そして「日本で」という形で表現するかについて意識的な作品作りをしてきた両者ががっぷり四つを組んだ時、どのようなスパークが見られるのか。そして、9月にニュー・アルバムをリリースする在日ファンクと、所属するクルー:stillichimiyaでアルバム「死んだらどうなる」をリリースしたばかりの田我流、という意味でも、このライヴでは新機軸と本質を提示し、それをお互いに照射しあうような、非常に意義深いライヴになりそうだ。

田我流この前、マキタ・スポーツさんが『ハマケンと一緒にライヴやるんだろ? あいつは面白いヤツだよな』って言ってましたよ。

浜野謙太(以下浜野)マキタさんと一緒に仕事したんですか?

田我流マキタさんと一緒に対バン・ライヴをやったんですよ。俺もマキタさんも山梨出身なんで、甲府の『桜座』って会場で。マキタさんの実家のスポーツ用品店『マキタ・スポーツ』もウチの近所で。ハマケン君は地元はどこなんですか?

浜野僕は横浜です。

田我流そうだ、サイプレス上野とロベルト吉野と同じ、ドリーム・ハイツですよね。

浜野……ひた隠しにしてるけど(笑)。

田我流上野君が言ってましたよ。『俺はそれを押し出してるけど、ハマケンはひた隠しにしてる』って(笑)。

浜野上野君は地元のキッズに大人気ですからね……キッズって言っても小学生とかだけど(笑)。

── 上野君はドリーム・ハイツで子供向けのクリスマス会やったりしてますからね。

浜野だから、ウチの親にも『同じ音楽やってるのに、上野君は地元に根付いてて<上野君は偉いわね>って言われてるから、あんたもドリーム・ハイツでなんかやりなさい!』って言ってて(笑)。

田我流『アンタはどうなの?』って(笑)。俺の友達がハマケン君の高校の同級生だったり。共通の知り合いは多いっぽいんですよね。

── 面識自体はどの程度?

田我流今日で2回目ぐらいですね。

浜野そうですね。在日ファンクのサックスの後関(好宏)がやってるバンド:stimのアルバム『NOON AFTER NIGHT』に、田我流君が“√20”に参加してて。そのリリパの時に初めて会ったんですよね。勿論その前から、田我流君の存在は知ってて。

田我流俺も勿論、SAKEROCKも在日ファンクも聴いてて。最初に“京都”のMVを見た時に、『スゲえ、完璧アウトじゃん!』って思ったんですよね(笑)。

── 今のは褒めてるね(笑)。確かに仏像とか出てきちゃうし。

田我流で、“きず”とか他の曲も聴いて、これはヤバいなって。その後に『KAIKOO』で初めて生でライヴを見て、ヒットの強いファンキーな分かりやすい曲も、ブルージーな曲もあって、そのバランスが面白かった。そして、やっぱりJAMES BROWNですよね。俺もJB好きなんで、その影響はシンパシーを感じる部分もありましたね。ダンスもずっと練習してるって話を後関さんから聞いて、やっぱりそうじゃないとあの動きは出来ないよなって。

浜野ヨロけたりすると格好悪いんで(笑)。

田我流ヒップホップはああいうメリハリは無いんで、あのテキパキした感じは刺激になりますね。

── ハマケン君から見た田我流君はどういった印象ですか?

浜野マネジャーと車に乗ってる時に、EVISBEATSの『ひとつになるとき』がかかってて、その中で、イルリメさんの“いい時間”と田我流君の“ゆれる”の流れが良くて、そこでまず知ったんですよね。で、ドラマで泣くシーンがあった時に、僕はすぐに泣けるようなタイプじゃないんで、“いい時間”を聴きながら、練習してたんですよ。だけど、その時間内じゃ泣けなくて、いつも“ゆれる”で泣けるという(笑)。でも、それで田我流君のラップが好きになって『B級映画のように2』を買ったんですよね。

田我流あんなパンチのあるアルバムを。ジャケからしてアウトなのに(笑)。

浜野確かにパンチがとにかく凄かったですね。だから、“ゆれる”とは全く印象が違ったのに驚いて。

── “ゆれる”はメロウな部分が強かったけど、「B級映画のように2」はタフな部分だったり言葉の裏があるアルバムで、カラーはかなり違いますね。

浜野でも、どっちも好きですね。JBもファンキーな曲もあれば、スタンダード・ジャズをピアノと一緒に歌ったりもしてて。そういうのに近いなって。

田我流嬉しいな。ありがとうございます。やっぱり“ゆれる”で俺を知ってくれた人は、俺をメロウな人間だって思うんですよね。だから『B級映画のように2』を聴いて、『騙された!』って人もいると思う(笑)。大きなメタファーだったり、政治の話とかも入って来るんで、ハード過ぎる部分もあるし。

浜野でも『B級映画のように2』を聴いて、凄く分りやすい部分もあったし、これぐらい突き抜けても良いんだって思ったり。

── パッと聴いて分る部分と、その裏のメタファーの部分のバランスというか。

浜野包み込み過ぎると分りづらくなるから、その塩梅は在日ファンクの歌詞でも考えますね。

田我流昨日、改めて在日ファンクの曲を聴き直して、改めて歌詞も凄いなって。“爆弾こわい”とか“むくみ”とか。『“むくみ”ってなんだよ!』っていう(笑)。でも、そこに寓意を感じたり、最終的な落とし込み方は似てるのかなって思いますね。

── 楽曲的に、入り口は分りやすいけど、リスナーの想像に委ねる部分が大きいっていうのは、両者に共通してますね。

田我流“毛モーショナル”とか。“毛モーショナル”は喰らったな~。

浜野そうなんだ。でも、全然ライヴでやってないんですよ、受けなくて(笑)。自分の中では、ふざけてる訳じゃなくて、無菌主義とか無臭主義みたいな考え方って、無毛とか脱毛にも繋がると思うんですよ。なんか、無い方が正しいみたいな。その感じがイヤであの曲を書いたんですよね。今、男の永久脱毛とかあるんですよ。ただ、女性のワキ毛は、個人的な好みとして無い方が良いんだけど(笑)。

田我流鼻毛も永久脱毛とかもあるらしいっすね。でもあれって、人体のフィルターじゃないですか。だから、あれを無くす事で、余計汚いモノを取り入れる事になってんじゃねえかっていう(笑)。

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