凄腕たちの楽しき会話のような交わり
text by 河村祐介
音楽ライター、さらにはdublab.jpなど、さまざまな形でこの国に刺激的な音楽を紹介してきた原雅明による新レーベル〈rings〉より、 第1弾としてフロスティ（dublab）＋デイデラスのアドヴェンチャー・タイムとともにリリースされたISAO SUZUKI & DJ KENSEI -oma’n’sei- による、ライヴ・レコーディング・アルバム『New Alchemy』。その活動歴はもはや半世紀、1950年代より、日本のジャズ・シーンの、まさに生きる伝説でありながら最前線で活躍し続けるベーシスト、鈴木勲。そしてご存知、ヒップホップやハウスなどさまざまなジャンルを超えてフリーフォームに活躍を続けるDJ KENSEIによるプロジェクト。このプロジェクトのはじまりは約1年前、2013年の11月2日、渋谷WWWでのライヴにさかのぼるわけだが、本作はまさにその起点となったライヴの実況録音盤である。DJ KENSEIがカット＆ペースト、ループさせるビートや電子音、そして鋭いスクラッチが飛び交うなか、鈴木勲のベースは、ときに軽やかな子供のようにとびまわり、ときにトリックスターのように怪しげな踊りを舞い、そしてときに威厳のある響きを持って重厚に迫る。双方にあたかもさまざまな物語を語り、音が紡がれていく。まさにそのサウンドが現れる様は、なみなみと優雅に湧き出るといった言葉が相当しい、そんな感触のサウンドである。凄腕のアーティストたちが対置したとき、音楽の駆け引きは優雅なる風を起こすのだ。
※本作のリリース・パーティーは11月30日（日曜日）、当店2階のギャラリー、KATAにて開催！
Live：ISAO SUZUKI & DJ KENSEI – oma’n’sei –
DJ：TOSHIO NAKANISHI a.k.a. TYCOON TO$H, DJ KENSEI “Mo’Wax selection”
open/start 18:00-22:00
door only 2,000yen(with flyer 1,500yen)
