FEATURE

毒舌か 恨み節か
説教か 変わらない芸
From 昭和 つなぐ明日
年長者 ゆずらないペース
（スチャダラメモ）

一番最初に言わせてくれ。スチャダラの新しいアルバム、、、すげーいいよ。こんなの聴きたかったっていうのが詰まってる。そしてこのアルバム、、三十路以上の方に是非聴いて頂きたい。

俺が良かったなと思う理由は、まず元気が出るんですよ。はっきり俺たちを取り巻く時代って凄く見えにくくて不透明で情報過多で複雑ですげー早くて不穏で心が満たされにくい。そんな時代をいつものようにノラリクラリとかわしながらヒューモアと知性とサウンドでサラッと音で立ち向かう。そこまではいつものスチャダラとかわらないかもしれないんですけど、今回はエモいんですよ、とにかく。あのクールなイメージのスチャダラが感情をスピットしまくってます。上記の“FROM 昭和 つなぐ明日”じゃないですけど随所で過去を振り返り、見つめ直して、“それでも今がBEST”と言い切る強い意志を感じるんですよね。第一線を走り続けてきたスチャダラだからこその説得力が聴き終わった後にジワーンと来るんです。本気でフザケて遊び続けていなきゃこうは音に現れない。その姿勢が年を重ねるという得体の知れない不安に、“まあなんとかなるっしょっ”と希望を生んでくれると思いますよ。

リリック面では俺にはこんな風にサラッと言えないな～という時事ネタとかも、スマートにガツンとやっぱくるんすよね。しかも年を重ねた客観性がまたパンチの強度を上げている。年長者のRAPの面白さがたまらないっす。それとアルバムのサウンド面に関して言わせてもらえばSHINCOさんのセンスの良さはいつもながら本当に凄い。POPSもOLDSCHOOLもニュージャックもDISCOも歌謡もアングラも呑み込んだ種類豊富なBEAT群。個人的にはスチャダラメモのBEATが最高でした。それと曲のFRESHさでいうとチャットモンチーとの母親讃歌『M4EVER』。これはなんと言うんですかね？マジで新しいPOPRAP？すげー化学反応が起きてます（曲の終わりにインサートされてくるジョー山中みたいな謎のコーラスも要チェックっす）

最後にこのアルバムを聴いて俺が思ったのは、ガキの頃に聴いて思ってたのと同じく、『こんな大人になりたい』という事でした。押忍