赤く剥き出し、膨らんだアートワーク・耳元に現れては消える情景のフラッシュバック。
拍のちがうメトロノームを二つ三つ置いたような曲がいくつもある。
重なり合う瞬間・すれ違う瞬間、私は勝手に安堵したりグッと来たりする。いや、なんと言うか、、
私情すぎるが、このアルバムを聴いて私は涙を流した。
共感した!と言うよりも、このArcaさんの作ったアルバムが、私のなかのメトロノームと合致したのだと思う。
珍しく「すこし疲れちゃったかな」なんて思いながら、このアルバムを再生したならすぐさまこの音楽に深く沈み、一筋の涙がこぼれ、そして最後には不思議と心が満ちていた。
いつからか、どう体験するのが正解か?と言う問い、こう聴け!も言う手引きがはびこり出して、今現在、蔓延している気がする。
世の中には勇気が出たり、恋人と聴けたり、踊れたり泣けたりするよ!なんて音楽が溢れている。悪いわけではないが、よいわけでもない。
このアルバムがそれらと一線を画している、と私が思う理由は、このアルバム、arcaさんの楽曲が息をしているから。
聴いていると息がしやすいと言うか、、実際にあえぎや短く息を吸い込む声が入っていることもあるので、これはきっとチャームポイントだと思う。
時折、絶景のような美麗な瞬間がある。フルスクリーンで解像度最大な瞬間が訪れる度、その度に私は息を呑む。
そしてまた、ビートによって息をして、日頃忘れがちな自分の呼吸を感じる。
赤く剥き出し、膨らんだアートワーク。これがなにかを示唆しているのか、私には判らない。
しかし、数々の曲タイトルから、怒ってらっしゃるのかな、それかとても幸せなのかなと思う。
ひとは判らない。ひとがつくったものはもっと判らない、けれど、聴いている私たちは勝手に心にメトロノームやきまぐれな音階を持って、Arcaさんの作品を体験する。
作者への追体験の余地は、ない。
アルバムの最後、ぽとんと寂しく落ちて終わる。その曲タイトルはお花の名前で、私はなんだか少しさみしくなって。誰かに電話でもかけようかな、なんて思う。
私たちは体験する。
そして勝手に、感動する。
(アヴちゃん/女王蜂)
女王蜂主催対バン企画「蜂蜜ナイト」開催決定!!
会場:LIQUIDROOM
チケット:4,500円(別途ドリンク代)
2015/12/10(木) <女王蜂 VS KEYTALK> 蜜蜂ナイト ~キーワードは、DANCE~
12/10の公演詳細はコチラから
2016/1/15(金) <女王蜂 VS Tommy> 蜜蜂ナイト ~♡January15!!!! dream come true♡~
1/15の公演詳細はコチラから
2016/1/29(金) <女王蜂 VS チームしゃちほこ> 蜜蜂ナイト ~チーム蜂ほこ~
1/29の公演詳細はコチラから
2016/2/7(日) <女王蜂 VS minus(-)> 蜜蜂ナイト ~掛け算♡引き算~
2/7の公演詳細はコチラから
2016/2/26(金) <女王蜂 VS 怒髪天> 蜜蜂ナイト ~漢字三文字最強説~
2/26の公演詳細はコチラから