シャムキャッツ
2016年11月に自主レーベル「TETRA RECORDS」よりリリースされた新作『君の町にも雨はふるのかい?』をひっさげ、ワンマンツアーで全国を回るシャムキャッツ。本日、2月3日(金)には、リキッドルームでツアーファイナルが開催される。巷で話題になったシャムキャッツのPV”洗濯ものをとりこまなくちゃ”を制作した、ずっく+サヌキナオヤと、以前シャムキャッツのツアーも一緒に回ったVJの玉田伸太郎が、渋谷某所でリキッドルーム公演の映像MTGを実施するということで、インタビューを決行!!
ツアー前半戦や初海外公演のエピソードを始め、PV映像の秘話、リキッドルームのイベント概要などを、シャムキャッツからは、夏目知幸、そして、ずっく、サヌキナオヤ、玉田伸太郎の4名に話を聞いてきました。
—まず、2016年11月に新作、『君の町にも雨はふるのかい?』をリリースされましたが、約2ヶ月ほど経ち、周りの反応など、直接耳にしたりしましたでしょうか?
夏目:古本屋「コンコ堂」の天野さんに”めちゃいいね”って言われたりとか、ツアー回ってみて、”バンドの変化を感じるね”とかは言われました。シャムキャッツが、変わってきてるぞ、なんか違ったところに向かおうとしてるぞ、っていうのを感じたっていうのは結構言われて。実際、変わってきてるなっていう自覚が自分にもあったので、良かったなと。
—千葉からスタートした、ツアー9公演を終えて、エピソードなどをお聞かせください。
夏目:千葉と新潟は初めてのワンマンで。初めてワンマンしに行くってところの雰囲気っていうんですかね、凄い良かったです。暖かい、熱い、グッとくるものがありました。 千葉は地元なんで、景色とかは知ってるし、来てる人の雰囲気とか、中学校の時の友達が来てたりとか。今回、5曲とも新曲なんですが、最初から目指して作ったっていうよりは、作る過程で、今、自分たちが何をやりたいのかわかっていくっていう感じの作業だった。作っていく最中に自分達の感じが掴めて、次に行けそうだっていう雰囲気が出てきた作品だから、作ることによって、ライブが凄いやりやすくなった。どういうことをしたいか、分かったから。今まで色々ツアー回ってきたけど、一番仕上がってるツアーになってます。なので、自分達としては準備したものをライブで出す、それが良い方向に作用している。
—それは、気持ち的にですか?バンド的に?
夏目:どっちもですね。各地方で良い形で出ているし、お客さんもまっすぐ受け止めてくれているなと感じました。
—前後しますが、ツアー直前に決行された、初の海外公演、台湾と韓国でのエピソードは?旅の面白エピソードなどありましたか?
夏目:超楽しかった!とにかく、人があったかい。これは、日本でもそうだけど、面倒見のいい人が沢山いて、助かるなーっていう。本当に地元のバンドの人たちに、感謝です。 台湾は、俺たちが初めてやるってことになって、コーディネートを凄いしてくれて。そのおかげで、クアトロぐらいの箱満員だった。俺たちの力じゃなくて、行く前から向こうで盛り上げていてくれていたから出来たという意識が強いから、逆に、東京で恩返ししたいなと思っている。あとは、台湾は日本と一緒で、インディーズバンドのカルチャーがちゃんとあって、俺たちみたいな音楽が好きで、よく行くレコ屋があったり、店があったり。 あと、打ち上げで誰かが立ち上がって”乾杯!”って言ったら、その場にある飲み物を飲みほさなくてはいけないっていうルールがあって(笑)
—“乾杯って”言った人がですが?
夏目:いや、その場にいる全員(笑)遅い時間からライブが始まったから、打ち上げも結構遅くて、1時からとかで。みんなもうすでにハイになってて、一緒にやった落日飛車(Sunset Rollercoaster)とかは、2分おきに位に“乾杯~!”ってやってて(笑)その度に、みんなで飲み干して、でも超楽しくて(笑)で、全然知らなかったんだけど、2時ぐらいに「もう行きますよ」みたいになって、え、まだ始まったばっかりなのにって思ってたら、今日、4時起きで韓国出発なんだよって(笑)なんで、宿に戻って、ゴリゴリに酔っぱらった状態で4時に起きて、そのまま韓国行って、さすがにその日のミツメとの2マンのライブは、俺たち相当疲れてた(笑)あのパワープレイヤーの藤村が、置きに行くドラムを叩いてて(笑) 慎重に、ミスんないように、って(笑)韓国初日のライブはちょっと疲れてた(笑)でも、その次の日は、ちゃんと万全を期してやったし、かなり狭い空間、バーで60~70人とかかな。めちゃくちゃ盛り上がって。マイガールって曲で合唱が起きて、泣きそうになった。いい光景で、こういうの味わいたくてバンドやってるな、俺は、と思った。
—いよいよ本日、恵比寿リキッドルームでのワンマンが控えていますが、開場から開演までの2時間の催し物のラインナップはシャムキャッツの仲間たちが集結という感じですが、それぞれのオファー経緯などお聞かせ願いますか?
—まずは、DJシャロン
夏目:シャロンは、阿佐ヶ谷のRojiで「サウン度目の正直」ってイベントがあって。なぜか、それに行こうという訳ではないけど、皆勤賞で。たまたま、行くとやってて、毎回参加するっていう(笑)その前から、一平君とかペリちゃんとかは、いろんなところで会って、面白いなーって思う友達だから、誘ってみようかなって。あと、名古屋でSummerOfFanチームにDJをやってもらったんです。無茶苦茶なDJで、ジャカルタでフィールドレコーディングしてきたよく分かんないストリートミュージシャンの音楽とかをかけてたりとか(笑) その感じは良かったし、お客さんも楽しんでたし。だから、東京でも、ゆるめDJが居たらいいなって思ったら、シャロンしか居なかった、俺の中では。
—次はFOODのウミネコカレー
夏目:ウミネコは、古里おさむさんっていう、俺らのP-VINEから出した最初の『たからじま』ってアルバムのプロデュースをしてくれている人がやっているカレー屋で。家が近いのもあって、よく行ってて。改めてオファーした感じです。超美味しい!
—どんなカレーが出てくるのか!リクエストはしましたか?
夏目:一応、節分なんで、豆のカレーがいいかなってのと、鬼退治できるぐらい辛くていいかなっていうオファーはしている。藤村のリクエストは、胃が暖かくなって、優しい気持ちでライブが観れるカレーって抽象的なリクエストをしていたので、どういうカレーになるかは分からないですね(笑)
—次は、前髪屋台:中川りえこさん(Raw)
夏目:りえこさんは、ずっと髪を切ってもらっている友達で。最近店をOPENしたんです。髪の毛切るところ、ライブハウスにあったら面白いなって思ったので、お願いしました。
サヌキナオヤ:それってさ、「セクシーボイスアンドロボ(黒田硫黄による日本の漫画作品。)」から発想した?
夏目:え、そんなんあったっけ?
サヌキ:なんか、青空美容室みたいな話があってさ、公園の木の枝に鏡をぶら下げて、本当ちょっとだけ切るっていう素敵エピソードがあるんだけど、そういうの連想してるのかなって。
夏目:あるある(笑) 潜在的にあった(笑)
サヌキ:そういうのいいなって思って。ちょっとだけ切ってくれる感じなんでしょ?
夏目:時間で区切る予定で、その中で切ってくれる。前髪だけじゃなくてもいいはず。前に、菊池亜希子さんのイベントでやった時はすごい人気だったらしい。
—そして、インタビュー当日、映像MTGをしている時にお邪魔したため、”洗濯ものをとりこまなくちゃ”を制作した、ずっく+サヌキナオヤさんがいらっしゃいます。当日やる、動く似顔絵屋さんWHOPPERS(ワッパーズ)のについて、どんな感じになるのか教えて下さい。
ずっく:僕が絵を描いて、サヌキさんが動かす。 サヌキ:そう、僕が、プラスアルファする感じです。その場で、GIFにする予定です。
夏目:GIFだったら、いいよね、twitterのアイコンで使えたりするしね。 サヌキ:ループになってるアニメーションにします。
—あとは、お二人とシャムキャッツのつながりと、洗濯ものをとりこまなくちゃの製作秘話などありますか?
夏目:一番最初に出会ってるのは、ずっくかな。2010年に『サマー・ハイ』っていうシングルを出したんですけど、その時のフライヤーを頼んだのが、仕事としては最初かな。
ずっく:シャムキャッツとしては、そうですね。
夏目:その前から、知り合いではあったけど。その後は、2015年に出した『素晴らしかった日々』の昔のデモ音源集のジャケットをやってもらった。
ずっく:2010年くらいから、2015年の『素晴らしかった日々』ぐらいまで、僕はあんまり絵を描いてなかったから。インスタとかであげてたぐらいで。
夏目:サヌキ君は、2012年ぐらい?
サヌキ:『MODELS』は何年ですか?
夏目:2014年。
サヌキ:その前の年の2013年の夏だ。
夏目:2013年に、僕がネットで見つけたいちファンとしてオファーした。ずっくの場合は、友達の友達って感じだったけど、繋がってはいなかったよね?
ずっく:間接的にだね。
夏目:基本、ファンから始まった。
ずっく:サヌキ君は、漫画のファンだったの?
夏目:サヌキ君は、pixivとかInstagramとか見ていて、すごい才能を発見したぞと思って、スカートのサワベ君なら知ってるな、ジオラマ(現ユースカ)と絡んでたな、と。それで、スカートのサワベ君に、サヌキ君に連絡をしたいんだけどって言って、オファーした。ちょうどこの辺で会ってたよね。
サヌキ:そう!何回も、この下の、かもなく不可もない、カフェで打ち合わせしたよね。
夏目:コムサのカフェでね(笑) サヌキ君は、いつもグレープフルーツジュースを頼んでた。
サヌキ:そうそうそう(笑)
夏目:それが最初。Tシャツのデザインをお願いしたんだ。
—時を経て、このお二人がシャムキャッツのPV”洗濯ものをとりこまなくちゃ”を制作する訳なんですけど、この組み合わせはどうやって生まれたんですか?
サヌキ:これは、僕からオファーしたんですけど、ずっくの絵は僕もファンで。
—ずっくさんと、サヌキさんは、お互い面識はあったんですか?
ずっく:面識はない時期の方が長かったよね。前のアフターアワーズのツアー最後で配られた冊子があって。それの冊子のデザインを僕がやって、サヌキさんには1ページに漫画を描いてもらった。そういう繋がりはあったけど、直接会うことはなかった。 サヌキ:シャムキャッツのPVをアニメーションで作りたいと思ってた時、一人でやると推進力がないかなと思って、VJのたまちゃん(玉田伸太郎)に相談してたんです。で、実際やってみたんだけど、その時はあまりうまくはいかなくて。そういうことってよくあると思うんですけど、またの機会にという感じで流れて。その後、ちょうどいいタミンングで、ずっくと会うことがあって、この人の絵を動かしたいって思って話をしたら、やってみようとなって、夏目君に相談をしたんです、PV作らしてくれって。
夏目:そう。いいね、となって。 サヌキ:なら、これでやってやーって。
—最初から、”洗濯ものをとりこまなくちゃ”でというのは決まっていたんですか?
夏目:サヌキ君からは、ずっくの絵でPV作りたいっていうのは前々から言われていて、でも、いつどういう形でお願いしようかな、とは思っていた。実は、”洗濯ものをとりこまなくちゃ”って2016年の頭ぐらいには完成していて。いつ出そうかなと考えていた楽曲なんですよ。そこで、合致したっていうか。あの曲ならアニメが合うし、いいなーと思って。しかも、いつ出すか決まってないから、割と制作時間も長く取れるっていう。それでも、大変ではあったけど、ちゃんとスケジュールを組んで、この曲でやりましょうという話を渋谷のTOPSで。
—制作されたお二人はPV発表後、評判を耳にしましたか?
ずっく:公開後に会った友達には、まず会って最初にPVのこと言われましたね。
サヌキ:夏目君のお父さんに褒められた(笑)
夏目:褒めてた!毎回これでいいよって。お前が出てるより、全然こっちのほうがいいよって(笑)
サヌキ:あと、子供受けがいいって言われたかなー。
夏目:ちょっとクオリティーが高すぎて、クオリティーの高さがあまり伝わってないところもあるんだよね。めちゃくちゃ、ちゃんとしてて、すげぇプロ達が作ってて。
サヌキ:それは、ちゃんとしようとした。その時、いろんな海外のアニメーションをめちゃくちゃ見てて、趣味のように。今、そういう人多いと思うんですけど、インターネットがあるから。その感じで作ろうと思って、その感じで作れたかなと。
ずっく:ストーリーがちゃんとしてるから、自分たち的には、泣ける感じには出来たかなと。
夏目:うん、凄い。凄いの作った!
サヌキ:WHOPPERS(ワッパーズ)は、今後も続けようと思っているので、そういうのもあって、ユニットとして名前も付けたんで。あのクオリティーのモノを出し続けられたら、嬉しいよね。
夏目:俺も楽しみ!お互い忙しそうだけど、合間を縫って、コンスタントにやって欲しいですね。
—あと、VJを担当する、玉田伸太郎さんが来ていますので、皆さんとの繋がりは?
夏目:玉ちゃんと(の出会い)は、”ASOKO”か。
玉田:高円寺にあった、ASOKOって場所があって。そこでやったイベントに、いろんな友達が来たりしてて、夏目君ともそこで知り合ったし、ずっくは、”ASOKOマガジン”っていうやつで絵を描いてもらったりしてて。サヌキ君は、いつだったか全然憶えてないんだけど。
サヌキ:多分、シャムキャッツのライブだったと思う。
玉田:なんか、お互い知ってますよって喋ったよね。
夏目:あと、シャムキャッツで、玉ちゃんとはツアー回ってる。3年前ぐらいかな、VJ入りのツアーを東名阪で。シャムキャッツはやりたがりだから、VJとか入れようぜ!って事で、オリジナリティあるVJが良いよねって話してて、そういえば、玉ちゃんが居るぞ!しかも、やるって言ってたぜ~!みたいな。あれは楽しかったよね。
玉田:あれは、良かった。
夏目:あれはいつか、2回目をやりたい。
玉田:今回のでも2ができそうだよね。
夏目:これも、2ができそう。VJ付きはめっちゃ楽しいけど、難しい所もあるから、映像にとっても、照明にとっても、バンドにとっても一番いい形で出していければね。
—そして、リキッドのライブに向けてのMTGで決まった、話せる範囲での映像に関するお楽しみネタがあれば、チラリ教えてください。
玉田:“季節”
一同:(笑)
玉田:とにかく、季節は大切にしたいなと
サヌキ:匂わせてる(笑)
夏目:VJだからVJやるよって感じではなくて、みんなで映像作れる人達、照明出せる人達が一緒になって場を作るって感じで。
―サヌキさん、ずっくさん、お二人も携わるんですか?
サヌキ:はい。
―最後に、リキッドのワンマンライブに向けて意気込みを!
夏目:繰り返しになりますが、今、バンドの調子が良いから、見て欲しいし、面白いものも集めたので、良い金曜日なるかと。来ただけでテンション上がるし、ライブ自体の演出もあるから、お見逃しなく!
ワンマンツアー 2016-2017「君の町にも雨はふるのかい?」
2017.2.3(Fri) 東京・恵比寿LIQUIDROOM
open17:30/start19:30 Price:adv¥3,500(+1D)
Live:シャムキャッツ
Dj:シャロン(松井一平、李ペリー、沖真秀)
Food:ウミネコカレー
Drink&Sweets:WANDERUNG new!
前髪屋台:中川りえこ(Raw)
動く似顔絵屋さん: WHOPPERS(ずっく+サヌキナオヤ)
ZINE:STUDY new!
[1F] ウミネコカレーはこの日限定のスペシシャルメニュー!限定数ですのでお早めに。WANDERUNGはコーヒーとスゥイーツを販売。DJシャロンはフロアでパフォーマンスをします。途中、夏目がゲスト参加の予定も…!
詳細は