ねごと
「ねごとを聞いてきてよかったな、と心から思ってもらえるようなツアーにしたいです」
――ねごと、ラストツアー直前メールインタビュー!
5月28日のリキッドルーム公演から「お口ぽかーん!LAST TOUR ~寝ても覚めてもねごとじゃナイト~」をスタートさせるねごと。ツアータイトルにもあるとおり、これが彼女たちにとって最後のツアー。バンドは7月20日のツアーファイナル(Zepp Tokyo)をもって解散することを発表している。
ツアー初日の会場となるリキッドルームはねごとにとっても何度も出演した関係の深いライブハウス。そこで今回はメンバー4人に、リキッドルームでのライブの思い出、そしてラストツアーにかける思いを寄せてもらった。
――ラストツアーがリキッドルームから始まります。リキッドルームはねごととしても何度も出演してきたライブハウスですが、どんな印象があるハコですか?
蒼山幸子(Vo.&Key.):リキッドルームで何回もライブをさせて頂きましたし、いろんなアーティストのライブを見させて頂きましたが、見やすく、空間の広がりにとても雰囲気があり、大好きな箱です。
沙田瑞紀(Gt.):プライベートで遊びに行ってるライブハウスの中でもダントツで行ってるかもです。カルチャーが混ざりあっていていつも刺激をもらっている場所。
藤咲佑(Ba.):今まで自分たちの企画やツアー初日にリキッドルームでライブをさせてもらう事が多いライブハウスでした。
なので、リキッドルームでやると帰ってきたぞ!という安心感と、ここからツアースタートだから今日楽しい初日を切れますように!っていう緊張感をいいバランスで保てる大好きな場所です。
澤村小夜子(Dr.):見やすい、やりやすい、音かっこいい、駅近い、素晴らしいスペックの大好きな箱です!
――リキッドルームでのねごとのライブをいくつかピックアップしました。それぞれ、印象に残っていることを教えてください。
2010.12.27 神聖かまってちゃん ワンマン追加公演
⇒神聖かまってちゃんのワンマンライブにオープニングアクトとして出演
沙田:こんなに大きなステージに立つ機会はなかなかなかったので、とにかくドキドキしていました!かまってちゃんのみなさんが優しかった。
澤村:その日の朝、お茶を入れる急須が割れて嫌な予感がしました。でも、ライブは楽しかったです。笑
2011.6.25 お口ポカーン!!対決・・・したかったファイナル
⇒対バンツアー「お口ポカーン!!対決ツアー」の震災の影響による振替公演。栗コーダーカルテットとの対バンの予定だったが、振替によりスケジュールの都合がつかず、ワンマンに
沙田:とにかく気持ちを強く持とう!私たちにできることをひとつひとつやっていこう!という気持ちでステージに立ちました。ファンのみんなに笑顔であえて嬉しかったな。
2012.4,19 キューン20 イヤーズ&デイズ
⇒所属するKi/oon Music20周年記念イベントでRHYMESTERと共演
蒼山:憧れのライムスター先輩と「カロン」を一緒に演奏することができ、むちゃくちゃかっこいいラップを入れて頂けて興奮したのを覚えています。
沙田:伝説の1日になりました。ライムス先輩の「into the night」を演奏したのですが、演奏するたび曲の良さに驚いていました。緊張しましたが、気さくな先輩たちのおかげで最高の一日になりました。ライムスファンのみなさまも優しかった。涙
藤咲:コラボした「into the night」は今でも忘れません。キューンだったから実現した夢のような1日でした!
澤村:当時はあまり知らなかったけど、アンコールでコラボするにあたり、リハで一緒にスタジオに入って、かっこいいおじさま達だなと思いました。
RHYMESTERのライブDVDにその時の映像が入っているので、たまに見返したりします。「into the night」はやったことないリズムで難しかったです。
2015.11.23 お口ポカーンフェス?! NEGOTO 5th Anniversary 〜バク TO THE FUTURE〜
⇒バンドの5周年記念で開催された「ねごとフェス」(フェスといっても出演者はねごとだけ!)
蒼山:これは今までやった数多くの中で一番印象に残ってるかもというくらい、すごい日でした。半日ライブをし続けるというのは人生で初めてでしたが、最後のステージの高揚感が凄まじくて、この日を通してお客さんとの距離がぐっと近づいたような気がして、嬉しかったのを覚えています。これをやり遂げたことで自分たちの自信みたいなものも、強くなれた気がしますし、すごく大事な節目の日だったなあと思います。
沙田:しんどさを感じることなく、あっという間に終わりました。やればできるじゃん!と思ったのと同時に、視野が広がった一日。なによりファンのみんなに感謝。
藤咲:丸々1日ねごとをよくやったなぁと振り返った今でも思います。当日どうなるか未知の世界だったけど やってみてとっても楽しかったし、この日出来たんだからどんな事があってもやれるでしょ!っていう自信に繋がりました。そして、リキッドルームでケーキを作るなんてきっと私くらいでしょう笑
澤村:1人ステージでお琴をやったこと、バンホーテンココアを一年分プレゼントされた事は人生でかなり上位に入る思い出だと思います。
ねごとpresents「ETERNALBEAT NIGHT」(2017年6月26日)
⇒東京・大阪で開催された主催イベントで、Creepy Nutsと初対バン
蒼山:ずっと対バンをしてみたかったCreepy Nuts、ライブの空間を作るのが本当に上手で、ねごとのお客さんが一瞬で心掴まれていく感じが目に見えるように伝わってきて、これこそ対バン!という感じの日になり、とても楽しかったです。
沙田:『ETERNALBEAT』は私たちの中でも新しい音楽の扉を開けたアルバムだったので、ライブハウスで音を出して初めて、すげーしっくりくる!という沸き立つものを感じました。クリーピーの二人は、ねごとのファンもみんな巻き込んでいて最高の時間を作ってくれました。
藤咲:(Creepy Nutsの)2人のライブが楽しくて、この後自分たちもライブをするのかーって少し忘れちゃうくらいの夜でした!
澤村:私が勝手にドラムをコピーしてた「助演男優賞」を、リハ終わりに一緒にやれたこと。R(指定)さんがすごくノリノリで歌ってくれてる横で、(DJ)松永さんはシンバルの音にびっくりしてたのが面白かったです。
――ねごとは自分たちのツアーもしっかり行う一方で、対バンイベントやサーキットイベントなどにも積極的に出ていってライブをしてきた印象があります。改めて、ねごとにとって「ライブ」とはどんな場、時間ですか?
蒼山:いろいろな音楽性のアーティストと対バンしてきたことで、自分たちらしいライブというものを求めて試行錯誤することができましたし、その時々の答えを見つけてこれた気がしています。もともとは楽曲作りが楽しい!というところから走り出したバンドだったので最初の頃は、ライブでの表現の形を悩んだ時期もありましたが、楽曲に込めた熱がこんな風に伝わってるんだなあということを、ライブはその場で感じることができるので、たくさんのパワーをもらってきましたし、そうして循環しながら続けてくることができました。自分たちにとってとても大事な場所だなあと感じています。
沙田:ライブは、ファンに直接届けられる最高の時間であり、いまの歩みを確かめることでもあると思っている。いろいろな感情が混ざり合うあの時間は他では経験できないです。
藤咲:今はねごとにとってライブは一番楽しくて、自由でいられる時間、解放できる場だなぁって思っています。
でも、デビュー当初は対バンを重ねていくうちに不安や自信をなくす事、悔しいって思うことも沢山ありました。
当初こうやって思ってきたから時間があるから今みたいに自信を持ってライブが楽しい!って言えるようになったんじゃないかなぁって思えます。
澤村:ライブをする事は、バンドの活動の中で一番好きなことです。
対バン相手やフェスで他のアーティストのライブを見ることも大好きなので、ただひたすらに楽しい時間ですね。
――この12年間で、いちばん嬉しかったことはなんですか? 逆に、いちばん苦しかったことは?
蒼山:嬉しかったことはたくさんの楽曲をずっとわくわくしながら生み出し続けてこれたこと。素晴らしいプロデューサーやアーティストとの出会いがあったこと。
苦しかったことはデビューが早かったので、土台がないまま出ていった先でぶつかる壁が多かったこと。
沙田:嬉しかったことは、全国ツアーを回れるようなバンドになれたことです。生きてる心地がする。
ライブ後の次の日に来る、体のバキバキはいつも苦しいですよー。だからといって手は抜けないのですが。
藤咲:もちろん苦しいって思うこともありましたが12年間振りかえると楽しいことばかりでその思い出の方が勝ってあまり苦しかったって言う印象がありません。
強いて言えば 今、肩と腕が痛いです笑
澤村:スピッツと対バンできたことと、GLAYの曲に参加できた事はすごーく嬉しかったです。苦しかった事は、歌詞を考えてる時(毎回)です。笑
――12年間の活動でねごととして自分たちは何を成し遂げた、何を残したと思いますか?
蒼山:何か大きく成し遂げたことがあるとは思いませんが、ねごとの音楽の中でなら憩える、澄んだ気持ちになれる、という人が少しでもいたなら、ほんとうに続けてきてよかったな、と思います。
沙田:ガールズバンド、という枠を超えたと思ってもらえていたらこの上なく嬉しいですねー。一番成し遂げたいことだったかもしれません。音楽はいろいろな概念が取っ払われると思うんです。
藤咲:難しいですが、12年間でいろんな音楽シーンをみてきて思ったことは 音楽の感じ方、楽しみ方はそれぞれでいい、決まりなんてないよーってことをライブを通して表現してきたのかなぁって思います。
澤村:目標を持ってない宙ぶらりんなバンドだったので、何かを成し遂げた感はあんまりないです。
でも、音源を聴いたり、ライブに来てくれたり、ねごとを好きになってくれたファンのみんなやアーティストさん達がいたので、その人達の心にこれからも残っていったらいいなーと思います。もちろん解散してからねごとを知る人達にもネ◎
――最後のツアー、お客さんにどんなねごとの姿を見せたいと思いますか? ファンへのメッセージも合わせてお願いします。
蒼山:ねごとを聞いてきてよかったな、と心から思ってもらえるようなツアーにしたいです。
わたしたちも、心置きなく、楽しんで駆け抜けたいと思います。最高の時間にしましょう。
沙田:最後まで、凛とした姿を見せたいです。
生きる糧になるような、パワーのあるライブをやりきります!全国各地のファンの皆さんに会えるのほんとうに楽しみにしています。
藤咲:いろんなこと抜きにして、とにかく楽しんでもらいたいです!
目でも楽しませたいなぁってのが自分の目標でずっとあるのでへばらないように準備してきてるのですが、どこまでやれるかなーってちょっと楽しみでもあります。当日、一緒に楽しみましょう!
澤村:最後のツアーは、今まで応援してくれたみなさんへ感謝の気持ちを込めて回ろうと決めているので、ツアーが終わったら死ぬかもしれないくらいの全力でライブしたいです。あと、夢から覚められないファンの方々にビンタしなきゃいけないので、腕力も上げて行こうと思います。