瞳に広がる幻の海、優しく照らす勁烈な灯り
1年前の夏、3ピースロックバンド・Age Factoryの清水エイスケ(ヴォーカル&ギター)と出会った。
坊主頭に真っ直ぐな瞳、しゃがれた声で挨拶を交わすエイスケは、
緊張感のない空気でスッとこちらの心に滑り込む、強面でいて柔らかい部分を持つ青年だった。
出会いの直後に発表されたAge Factory 2nd AL【GOLD】を一聴し、心底痺れた。
“時代をひっくり返してやる。“
そう言わんばかりの感情の底から漲る熱量で、様々な温度を感じさせてくれる10の楽曲。
個人的にも、2018年を振り返った時に鮮明に焼きつけられた1枚となった。
2019年年明け、Age Factoryが地元にて企画イベントをやるとの事で
私に声をかけてくれ、DJとして奈良のライヴハウス・NEVERLANDへ向かった。
奈良での夜は、彼らが地元を愛する感情や、その愛する街の空気を目一杯感じ取れる、優しい1夜になった。
その後、東京での企画でも再度声をかけてくれたりこちらもライヴに駆け付けたりと、
多く会わずとも1度1度でしっかり距離が縮まっていく中、
これから強度の増す彼らはどんな事を想い、どんな曲を届けてくれるのだろうか。
次回作への期待が高まる。
今夏多数のロックフェスに出演し、各地に彼らの音楽が響き渡る中、
Age Factoryは3作連続デジタルシングルをリリース。
既に配信中の第1弾デジタルシングル[CLOSE EYE]に続き、8/30より第2弾となる[HIGH WAY BEACH]が
リリースされた。
[CLOSE EYE]では、現代社会に感じるフラストレーションや新しい未来を切り開くモチベーションを、
ラウドな歪みと叫びでストレートに表現。
今回の[HIGH WAY BEACH]は、姿勢や表現はストレートなままに、より彼らの生活や日常の空気感を
詰めたかの様な、全面に蒼さとピュアネスが染み渡っている。
構成はシンプルながら、輪郭のはっきりしたバンドサウンドと繊細なまま疾走するメロディーが
絡み合い、浮かび上がる鮮明な情景。
“HIGH WAY BEACH 幻の海 いつか君の思い通り/HIGH WAY BEACH あと少し 短い夢のようで夢じゃない“
サビ部分やタイトルに登場するBEACHや海は、彼らの住む奈良には実際にあるわけではない。
ここで歌われる様に、あるとしたら幻や空想である。
けれど、確かに目に映ったかのような海という存在の幻。
私も内陸県出身の1人として、海は少しばかり生活から遠いものだったので、
其処に対して憧れや想像・果ての無い世界に未だ強いロマンを感じるものだ。
場所は関係なく、何処までも果てなき景色は目の前に作れるのかもしれない。
9/13には、3作連続リリースの最終作となる[nothing anymore]を配信開始。
ゲストヴォーカルに佐藤千亜妃を迎え、個々のヴォーカルの持ち味が
異なったベクトルで活きた、バンドの新境地的ミディアムバラードとなっている。
それぞれの表情を持った3作をリリースした直後から、初のワンマンツアーもスタート。
一瞬一秒を確かな呼吸でフロアに刻むライヴは、是非とも各地で体感してほしい。
私は、ツアーファイナルとなる10/19恵比寿リキッドルームのステージで、
今彼らが提示するモノをたっぷりと浴びたいと思う。
リキッドルームでのワンマンライブ情報はこちらから!
2019.10.19SAT
Age Factory
“Age Factory ONE MAN TOUR 2019 『HOPE』”